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ルツ記2章-1

ルツ記2章-1
=本章の内容=

❶ボアズとの出会い

=ポイント聖句=

7-8,彼女は『刈る人たちの後について、束のところで落ち穂を拾い集めさせてください』と言いました。ここに来て、朝から今までほとんど家で休みもせず、ずっと立ち働いています。」ボアズはルツに言った。「娘さん、よく聞きなさい。ほかの畑に落ち穂を拾いに行ってはいけません。ここから移ってもいけません。私のところの若い女たちのそばを離れず、ここにいなさい。

=黙想の記録=

❶1-9節:ボアズとの出会い・・・ボアズとルツには結婚における大きな5つの問題点が横たわっていました。列記してみます。

[1]ルツは異邦人です。特にイスラエル人に嫌われていたモアブ人です。
[2]ルツの:地位の低さです。未亡人でありさらに未亡人である姑がいます。
[3]ルツは貧困家庭です。モアブで夫も財産も一切を失っているのです。
[4]ルツとボアズの歳の差です。システィーナ礼拝堂にミケランジェロ・ブオナローティ(1476-1564)が描いた「ボアズ」と題されるフレスコ画が掲げられいます。これを見るとボアズは壮年と言うより老人として描かれています。またジェームズ・ファード(スコットランド)の「ボアズとルツ」では50代の壮年として描かれています。古代イスラエルでは女性は12歳で成人と見なされ許嫁が決まっています。この慣習で言えばルツは初婚から10年経過している訳ですから22歳以上となります。それにしてもボアズとの歳の差30歳前後。かなりの差です。
[5]ルツは不妊の女性と思われます。婚姻関係が10年もあったのに夫キルヨンとの間に子供がいないのは当時としては不自然です。子孫を儲けるための結婚だったからです。

ミレーの「落穂拾い」はルツ記を基づいた作品として有名です。落穂拾いは他民族にはない高いレベルの社会福祉制度です。ルツはこの制度を利用し積極的に落穂拾いに出かけます。ルツは他のイスラエルの女性に交じって落ち穂を拾いに行きますが、その場所がボアズの畑であるとルツは意識していたわけではありません。またボアズがルツに目をかけてあげたのは「恋に落ちた」からではなく「ボアズの人となり」がそうさせたのです。『4,ちょうどそのとき、ボアズがベツレヘムからやって来て、刈る人たちに言った。「主があなたがたとともにおられますように。」彼らは、「主があなたを祝福されますように」と答えた。』とありますが、これはボアズの信仰深さと謙遜さを表現したものです。通常使用人にこんな丁寧な言葉をかけることはありません。使用人を一個の人間として尊重しているからこそ出てくる言葉です。一方ルツはそこに居合わせた使用人をも唸らせる働き者でした。「6-7:あれは、ナオミといっしょにモアブから参った娘でございます。落ち穂を拾わせてほしいと、今朝から来まして、とにかく、木陰で休みもせず、ああしてずっと立ち働いているのです。(リビングバイブル)」の使用人の言葉が働き者のルツを物語っています。ボアズがルツに掛けた第一声は「娘さん」ですが、若い女性に掛ける言葉であるのと同時に「姪・嫁」といった姻戚関係を表す言葉でもあります。「ナオミ」の名前を聞いて思わず親しみを込めて出てきた言葉なのです。一族の忠告も聞かず勝手にモアブに飛び出して行ったエリメレクの家族です。敬遠して当然なのです。世間体を気にする人間ならルツの落穂ひろいは遠慮してもらうことでしょう。しかしここでもボアズの懐の深さが感じられるのです。続けてボアズはルツを蔑むことなく公平に取り扱うことを使用人に忠告しています。そればかりか一族として特別扱いをするように事細かに指示するのです。
●上記のボアズとルツの様子から察するにボアズは正に父なる神様の慈愛の姿をルツは救いに預かる私達基督者を表しているとは言えないでしょうか。

=注目語句=

語句①落ち穂を拾い(2):英語glean ears of corn(KJV)pick up the stalks of grain(NLT);ヘブル語ラギャットゥ・シバレットゥ[拾う(集める)・穀物の穂]・・・落穂拾いとは穀物の収穫後に、または収穫に加えるために、田畑に散らばる穂を拾い集めることです。レビ記19:9-10や申命記24:19にあるように収穫後の落ち穂は寄留者・孤児・寡婦の為にわざわざ降り残しておくことが義務付けられた居ました。他民族にはない社会福祉制度です。

語句②娘さん(8):英語my daughter;ヘブル語バース[娘,姪,嫁] =注目人名= 人名①ボアズ(1):英語Boaz;ヘブル語ボアェーズ語[速さ、素早さ]

ルツ記

Posted by kerneltender