最新情報

詩篇第一巻 第31篇

詩篇第一巻 第31篇
=本章の内容=

人の心から忘れられた存在と感じる時

=ポイント聖句=

死人のように私は人の心から忘れられ壊れた器のようになりました。(31:12)
私の霊をあなたの御手にゆだねます。(31:5)

置かれた状況

エルサレムから追い出されアブシャロムに追撃されている状態にあった時の詩篇と思われる。

祈りの内容

1,私が決して恥を見ないようにしてください。あなたの義によって私を助け出してください。
2,私に耳を傾け急いで私を救い出してください。私の力の岩となり強い砦となって救ってください。
3,あなたこそ私の巌私の砦。あなたの御名のゆえに私を導き私を伴ってください。
9,私をあわれんでください
16,御顔をしもべの上に照り輝かせてください。あなたの恵みによって私をお救いください。
17,主よ私が恥を見ないようにしてください。私はあなたを呼び求めていますから。悪しき者どもを辱めてください。彼らが黙ってよみへと下るように。
18,偽りの唇を封じてください。

祈りの確信 =黙想の記録=

●5節「私の霊をあなたの御手にゆだねます。」は十字架で発せられたイエス様の言葉(ルカ23:46)だ。本編はイエス様同様「ゆだねる」信仰を学び体得するチャンスと再確認させるところだ。11~13節は十字架で敵に囲まれるイエス様のご様子を描写しているようにも思えてくる。
●11・12節の「私の隣人から。知り合いには恐れられ外で私を見る者は私を避けて離れ去ります。」「人の心から忘れられ壊れた器のように」とあるように近隣諸国からではなく、同胞から降りかかる問題にダビデは今さらされている。また21節に「主は堅固な城壁の町の中で私に奇しい恵みを施してくださいました」とあることから、エルサレムから追い出されアブシャロムに追撃されている状態にあった時の詩篇と思われる。
●12節「死人のように私は人の心から忘れられ壊れた器のようになりました。」とあるように、かつては活動的で他者からも名前を知られていたとしても何らかの理由で一線から退かされ、人の心から忘れられた存在と感じる時がある。しかしダビデの様に自分と言う存在さへ消し去るために追手が迫るような経験はほぼないと言える。ところが11節「私を避けて離れ去ります」と感じる状態は忘れ去られる状態より心は深刻なうつ状態になる場合が多い。さらにこうした状況化にある時は決まって、22節「私はうろたえて言いました。「私はあなたの目の前から断たれたのだ」と。」と信仰を失いそうになる。
●しかし、このような時こそ信仰が試される時でもある。14~16節「しかし主よ私はあなたに信頼します。私は告白します。「あなたこそ私の神です。」私の時は御手の中にあります。私を救い出してください。敵の手から追い迫る者の手から。御顔をしもべの上に照り輝かせてください。あなたの恵みによって私をお救いください。」とダビデの様に忍耐心を持って主の導きを待つ必要がある。「御顔をしもべの上に照り輝かせてください。」と祈るとき顔をまっすぐに神様に向ける必要がある。不憫な自分を見つめていてはならない。状況が暗黒と思われるとき、20節「隠れ場に隠されます」とあるようにそこは主の胸の中であることに安堵すべきである。
●24節「雄々しくあれ。心を強くせよ。すべて主を待ち望む者よ。」とあるように、今は忍耐をもって主が私を伴って出陣なさるのを待つ時期なのだ。信仰の盾のほころびを修繕し、御言葉の剣を研ぎ澄ましながら。

=注目語句=

語句①ゆだねる(31:5):英語 commit ;ヘブル語パケッドゥ(פָּקַד)ゆだねる,委託する,注意を払う,観察する,お世話になる,探し回る