最新情報

詩篇第一巻 第29篇

詩篇第一巻 第29篇
=本章の内容=

自然を支配される神はユダヤの民の側にいる

=ポイント聖句=

主は大洪水の前から御座に着いておられる。主はとこしえに王座に着いておられる。(29:10,11)主はご自分の民に力をお与えになる。主はご自分の民を平安をもって祝福される。

置かれた状況

雷鳴、大水、大洪水とあることから、ダビデは自然の脅威にさらされているか、あるいはそれを見聞きしている状態と思われる。

祈りの内容

 

祈りの確信 =黙想の記録=

●この29篇はヨブ記38:1・2「主は嵐の中からヨブに答えられた。知識もなしに言い分を述べて、摂理を暗くするこの者はだれか。」を思い起こさせる。雷鳴・稲妻は旧約では神の声として人々を震えさせた自然現象。稲妻がレバノン杉の森に引火し沈下不可能と思われる山火事を引き起こしたり、さらにその後の大雨によってもたらされた大洪水は人間界を一変してきた。雷鳴を「主の声」と呼んでいる。現代科学は、雷鳴や稲妻の引き起こされるメカニックや想定される自然災害に対する予測は立てられても、その災害を減少することも防御することも儘ならない。自然災害の脅威から人々は自然を神と置き換え、怒りをなだめることに始終してきた。しかし、10・11節にあるようにダビデは、自然を支配していられる神の存在を引き合いに出し、やみくもに自然災害は起こっていないことを弁明している。ギブオンが犯した罪の為に3年間飢饉が起きたことを前述したが、こうした自然災害さへ神の御意志があるということになる。11節でダビデは自然を支配される神はユダヤの民の側にいることを確信させようとしている。
●「主は大洪水の前から御座に着いておられる(29:10)」の大洪水はノアの洪水のことだとすると、洪水によってノアの家族が救い出され庇護を受けて来たことから、ユダヤ人はこれからも数々の困難から主の救いを受けるとの確信を表明している。

=注目語句= 語句①声(29:3,4,5,7,8,9):英語voice; ヘブル語コール(קוֹל)音声