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詩篇第一巻 第25篇

詩篇第一巻 第25篇
=本章の内容=

霊的低迷期からの脱出

=ポイント聖句=

私の悩みと労苦を見て私のすべての罪を赦してください。(25:18)

置かれた状況

ダビデがアブシャロムに追われて、エルサレムから脱出した時の祈りとされている

祈りの内容

どうか私が恥を見ないように敵が私に勝ち誇らないようにしてください。(25:2)
まことにあなたを待ち望む者がだれも恥を見ずゆえなく裏切る者が恥を見ますように。(25:3)
主よあなたの道を私に知らせあなたの進む道を私に教えてください。(25:4)
主よ思い起こしてください。あなたのあわれみと恵みを。(25:6)
私の若いころの罪や背きを思い起こさないでください。あなたの恵みによって私を覚えていてください。(25:7)
主よあなたの御名のゆえに私の咎をお赦しください。(25:11)
私に御顔を向け私をあわれんでください。(25:16)
どうかこの苦悩から私を引き出してください。(25:17)
私の悩みと労苦を見て私のすべての罪を赦してください。(25:18)
私のたましいを守り私を救い出してください。私が恥を見ないようにしてください。(25:20)
誠実で直ぐな心で私が保たれますように。(25:21)
神よイスラエルをそのすべての苦難から贖い出してください。(25:22)

祈りの確信 =黙想の記録=

●息子アブシャロムの造反は、彼の妹タマルの凌辱事件(サムエル記第二13章)に対し、父ダビデが加害者である息子アムノンに何の制裁を行わなかったことが要因となっている。その後アブシャロムはアムノン暗殺を実行し逃亡するが、その間もダビデは関係回復を自ら望むことはなかった。ダビデはバテシェバとの一件(サムエル記第二11章)で国民にも暴露されてしまった汚点があり、それが王としての資質を疑わされる原因ともなっていた。正義感と野心の入り混じったアブシャロムのダビデへの造反の温床が出来上がっていった。ダビデ自身の霊的が最悪の状態であったことは否めない。神様との交流が希薄となっていた矢先にこうした事件が次々起こるのは、魂の所在を試す悪魔の仕業と言える。霊的低迷期に神様の助けを求めず、この世の助けを借りようとする愚かしさが人には存在する。そのためいよいよ泥沼にはまっていってしまう。だが、明らかに主なる神様が引き起こした出来事とダビデが認めた時、そして顔向けできない主なる神様に再び顔を向けたとき、解決の道が開けることをダビデは確信していった。
●罪を犯し神様に合わせる顔がないダビデです。しかし「霊的回復」しなければならない使命感が彼にはある。この詩編では全体にわたって「私」が主語だが、最後に「神よイスラエルをそのすべての苦難から贖い出してください。(25:22)」と「民の為のとりなし」の言葉に置き換わっている。ダビデには神が私を選ばれたという確信、王権は神の秩序を持って行わなわければならないをいう確信が備わっていたと思われる。ダビデにとって「原点回帰」はヘブロンでの王位移譲の瞬間(サムエル記第二5章)だった。

=注目語句=