詩篇第一巻 第7篇
詩篇第一巻
=本章の内容=
主なる神様はその約束は違えることがない。私もそれに倣うべきだ。
=ポイント聖句=心の深みまで調べられる神(7:10)
置かれた状況 祈りの内容 祈りの確信 =黙想の記録=●この個所の伏線になる箇所がサムエル第一24章ではなかろうか。ダビデを追撃していたサウルが用を足すためにダビデが隠れていた洞窟に入った。これはサウルを亡き者にするセンサ一隅のチャンスだった。だがダビデは彼の上着の裾を切り取るだけで復讐しなかった。「主に油注がれた方を殺めることは主に逆らうこと」といきり立つ部下をなだめた。洞窟から出たサウルを追いかけたダビデは地に身を投げ出しながらサウルに弁明をする。(サムエル第一24:8~15)このダビデの行動からサウルは次期国王は自分の子供ではなくダビデであることを言明させている。このサウルの冷静さは聖霊が引き起こしたものとしか思えない。ここでダビデはサウルの子孫の身の安全を保証させられる。
●「神は正しい審判者日々憤る神(7:11)」・・・ここに登場するクシュは正体不明の人物だがシムイ(サムエル第二16章)のようなベニヤミン族に属するダビデに敵対する存在だったようだ。ダビデは自ら手を下さないことを約束している。だからこそこの詩編にあるように復讐を主の手にゆだねた。ダビデが動けばたちまち仇は征伐することができる。その実力があったはずだ。しかしダビデは裁判官であられる主に裁定をゆだねた。
●「心の深みまで調べられる神(7:10)」・・・この詩編を歌った時の状況をダビデは主の試み(テスト)と判断した。国王になるとはどんなことであるかを試されるテストであった。
●「立ち返らない者には~(7:12~16)」・・・一見すると「自分を攻撃する者に厳罰を科して欲しい」とのダビデの怒りの感情の様に思えるが、そこには「悔い改める者には神の寛大さが待っている」とも受け取れる。
「私は主をほめたたえます。その義にふさわしく。いと高き方主の御名をほめ歌います。(7:17)」と最期を結んだのはダビデの心の平安が感じられる。