ピリピ人への手紙 4章

ピリピへの手紙 4章
=本章の内容=

❶霊的な一致②思い煩い❷平和の神➌あらゆる境遇❹困難を分け合う

=ポイント聖句=

何も思い煩わないで、あらゆるばあいに、感謝をもってささげる祈りと願いによって、あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい。そうすれば、人のすべての考えにまさる神の平安が、あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれます。(4:6~7)
聖徒たち全員が、そして特に、カイザルの家に属する人々が、よろしくと言っています。(4:22)

=黙想の記録=

●ピリピ人への手紙最終章です。「カイザルの家に属する人々」と何気なく書いてありますが、パウロが幽閉されていたところは時の皇帝カエサルの関係者宅です。外出が許されない自由を制限された場所です。この環境が反(かえ)って人々に関心を抱かせ、パウロの元に引き寄せ、そのうちの何人かが救いに至る結果となったのです。実に面白いと思いませんか。
●病気療養中で自由が効かない環境にある兄弟姉妹の所に人々が引き寄せられるのとよく似たところがあります。病気見舞いに来たつもりが逆に励まされ慰められ、主の存在を知る結果となるからです。「激戦地に取り残された様な境遇の中」で、主にある兄弟姉妹が、主にどのように向き合い、どのような回答を得たのかとても興味があるからなのです。この場所には、数百回の説教よりはるかに説得力のある「無言の言葉」があるからなのです。
●祈りのSOSが要請された場合、ある基督者はこうした「重たい現状」を忌避します。挙句の果てには「不幸自慢」とか「自己憐憫」と揶揄して憚らないのです。「何も思い煩わない」というの「ノー天気でいる」「無関心を装う」「無視する」ことを意味しません。「思い煩い」は「神様への感謝」を引き出すための「霊の戦い」です。この「霊の戦いに祈りをもって立ち向かう」ことを、パウロは勧めています。ところで激戦地にいる兵士を見て、私たちは無関心でいられるでしょうか?何かしないではいられなくなるのが正しい感覚のはずです。パウロが称賛しているピリピ教会の素晴らしさは、激戦地にいたパウロ以下の働き人に対し「関心を抱き」「困難を分け合う」ところにありました。それは具体的な支援でもありましたが、最大のサポートは「祈りの後方支援」でした。ピリピ教会から遙か遠方にいても、パウロは彼らの思いをひしひしと感じ取ることができたのです。この姿こそが「主にある一致」なのです。
●祈りのSOSを遠慮なく発信してください。必ずとりなしてくださる兄弟姉妹がいます。必ず祈りの回答が得られます。あなたが望んだ結果でなかったとしても、それは神様への感謝で締めくくることができます。
●戦艦大和と言えば当時の向かうところ敵なしと言われるほどの「超弩級戦艦(ちょうどきゅうせんかん)」です。ところが大和は出港後ほどなくして、アメリカ軍艦載機約300機の奇襲を受け、あえなく沈没してしまいます。最大の敗因は友軍艦隊も友軍機もなく単独で戦地に赴いたためです。パウロの様な超弩級の働き人には必ず祈りの後方支援をしてくれる教会がありました。あなたには祈りのサポーターがいらっしゃいますか?