ペテロの滑稽な姿が鶏に投影されている
《なるほどThe Bible》2021/09/04
=ペテロの滑稽な姿が鶏に投影されている=
【参照聖句】ペテロは、「鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言います」と言われたイエスのことばを思い出した。そして、外に出て行って激しく泣いた。(マタイ26:75)
💙田舎ですから朝になるとどこからともなく鶏の鳴き声が聞こえてきます。「皆。朝だよ。目を覚まそうね。」こんな風にメルヘンチックに聞こえてきませんか。「チコちゃんに叱られる!」でも取り上げられたそうですが「鶏が鳴く」のはそんな理由からではないそうです。「ニワトリが朝早く鳴く理由」は、以下の三点です。第一に序列の主張(縄張りの宣言)で上位の鶏が最初で下位になるほど後の方になります。第二にメスへの求愛活動。つまり自分の子孫を残すための熾烈な争いなのです。そして第三は、侵入者への警告を発するためです。
💚さて、この観点から祭司官邸で鳴いた鶏のことを考えてみると、面白いことが見えてきます。この三度鳴いた鶏は同一の鶏です。官邸近辺で飼われていた鶏です。ですから官邸に人が明かりをともしてわさわさと入り込んで来たわけですから、侵入者への警告と縄張りの主張ということになるのではないでしょうか。
💗「弟子の中で何につけても俺が一番!」「イエス様が危険な目に合うときは身を挺して守る。」と豪語してきたペテロ。福音書の読者は、このペテロの様子は正に人間に飼育されている鶏の様に見えてくるはずです。「自己主張」「過大評価」の塊であったペテロの滑稽な姿が鶏に投影されていると思えませんか。