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マタイの福音書24章-1

マタイの福音書24章-1(24:1~14)
=本章の内容=

❶神殿の崩壊❷終末のしるし

=ポイント聖句=

そこでイエスは彼らに答えられた。「人に惑わされないように気をつけなさい。(24:4)
不法がはびこるので、多くの人の愛が冷えます。(24:12)

=黙想の記録=

●この24章では「ユダヤ戦争」と「世界の終末」について平行して語られたイエス様の終末預言です。①ユダヤ戦争とその後世界の終末までの様子②世界の終末時代の様子③終わりの時代に対する基督者の備えという順番で展開されています。
●1~35に記されている内容を次のようにまとめてみます。
《1~2節》AD79~81ティトゥスによるエルサレム攻囲戦で第二神殿が破壊されること
《4~5節》わたしの名を名乗る者が大勢現れ」とありますが、AD135第二次ユダヤ戦争(バル・コフバの乱)で、ユダヤ人「バル・コフバ」が自らメシヤと名乗り、ラビ・アキバがそれを後押ししました。
《6~7節》戦争紛争と飢饉地震が頻繁に起こる
(1)ユダヤ戦争以降に起こったイスラエルやその周辺で起きた戦争や紛争のことです。
AD636-1099アラブ征服時代(「岩のドーム」を建造)
AD1099-1291十字軍時代
AD1517-1917オスマン帝国時代
(2)地震と飢饉
【地震】エリコ城壁崩落・十字架の時の地震などが史実としてあるように、イスラエルでは80年周期で大地震があるとのことです。イスラエルはアラビアプレート・アフリカプレート・シナイプレートの3つのプレートがぶつかる真上にあることでも頷けます。
【疫病=感染症】AD542から60年間のユスティニアヌスのペストアテナイ以前は記述が見つかりませんが、以降、黒死病・天然痘・コレラ・チフス・結核・インフルエンザ・ポリオなど、世界的な感染症がいつの時代にも起きて、人類存亡を脅かすおびただしい数の死者がでています。
【飢饉】飢饉は各年代でいつもどこかで起きてきました。文献に残る世界的規模の飢饉は5世紀から現代まで、おびただしい数が起こっています。そのほとんどが気象変動によるもの。あるいは、疫病の蔓延によるのです。
《8~14節》終末の前兆の後に起こること
7節までの天変地異や世界規模の戦争や紛争の後の出来事で、特に人と人との関連性に大きな変化が現れることを次の点の様に示唆しています。終末期には、キリスト教会の内外に様々な問題が世界規模で発生します。キリスト者が、社会事象に振り回されず、真理を見極めて、慎重に行動することが求められる時代でもあります。
①キリスト者への迫害、②キリスト者同士の紛争、③偽預言者の台頭、④教会の腐敗、⑤キリスト者による世界宣教
「不法がはびこるので、多くの人の愛が冷えます」とは、一般の人々の風潮のことを言っているのではありません。これはこの時期つまり現代のキリスト者と教会の様子を指しているのです。「自由」と「放縦」をはき違えていたり、主にある兄弟姉妹の動向に無関心でいる状態のことです。あるいは、社会的弱者に対する無関心も含まれます。
●現代の状況から終末を述べることは敢えて致しません。その必要が無いと確信しているからです。現在の世界情勢や自然界の不安定さから終末を導き出そうという努力は、昔から何度もありました。ところが、かえって私たちの信仰を歪曲させる原因となってきたことを私たちは記憶しています。古の預言者宜しく「予言もどき」を続けるなら、主にある兄弟姉妹の人生を狂わしかねない大きな躓きの原因となる事を、是非心に留めていただきたいのです。