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マタイの福音書23章-2

マタイの福音書23章-2(23:13~36)
=本章の内容=

❷律法学者・パリサイ人への警告

=ポイント聖句=

蛇よ、まむしの子孫よ。おまえたちは、ゲヘナの刑罰をどうして逃れることができるだろうか。(23:33)
まことに、おまえたちに言う。これらの報いはすべて、この時代の上に降りかかる。(23:36)

=黙想の記録=

この部分は律法学者やパリサイ人への激しい警告が並べられています。「わざわいだ」で始まる部分が8か所あり、その後に、こうした人々に下される神の激しい制裁がまとめられています。
①わざわいだ、偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちは人々の前で天の御国を閉ざしている。おまえたち自身も入らず、入ろうとしている人々も入らせない。・・・始めから彼らには永遠の命など全く関心がありませんでした。「天の御国を閉ざす」とは、ユダヤ人に聖書から「永遠の命に至る救い」を教えることをしていないとの指摘です。
②わざわいだ、偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちはやもめの家を食いつぶし、見栄のために長い祈りをしている。・・・立場の弱いやもめを始めとする生活弱者から金品をだまし取っていました。長い祈りはただのお題目で、自分の信仰深さをアピールする道具にすぎませんでした。
③わざわいだ、偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちは一人の改宗者を得るのに海と陸を巡り歩く。そして改宗者ができると、その人を自分より倍も悪いゲヘナの子にするのだ。・・・ユダヤ教に改宗させるためには全国に出向きますが、いったん改宗に成功すると、重箱をつつくように重要ではない罪を見つけ出しては責め立てる。「ゲヘナ行」をちらつかせて、改宗者を盲従させていました。
④わざわいだ、目の見えない案内人たち。・・・ここでは「神殿」や「祭壇」など儀礼に関する本末転倒の様子を指摘しています。本来誓いは父なる神への嘆願の裏付けであり、信仰が優先するべきでしたが、「黄金や祭壇の上のささげ物」を黙って差し出せば、その願いは叶えられたも同然」と案内していたのです。要するに彼らの関心事は、神殿や祭壇の存在意義ではなく、私腹を肥やせる金品にあったのです。
⑤わざわいだ、偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちはミント、イノンド、クミンの十分の一を納めているが、律法の中ではるかに重要なもの、正義とあわれみと誠実をおろそかにしている。・・・「ミント、イノンド、クミン」は、いずれも香辛料とり植物の極小の種子を使いいます。つまり、こんな値がつけられないような物品まで細かく計算することを表しています。彼らは本来こんな枝葉末節なことをつつくより、寸暇を惜しんで、民に聖書が説く「正義とあわれみと誠実」を教えるべきであったのです。
⑥わざわいだ、偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちは杯や皿の外側はきよめるが、内側は強欲と放縦で満ちている。・・・「盃や皿」は祭儀に使うものです。それをよく磨いて煌びやかに見せることで、民はありがたく思うはず。こんな計算があったのです。
⑦わざわいだ、偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちは白く塗った墓のようなものだ。外側は美しく見えても、内側は死人の骨やあらゆる汚れでいっぱいだ。・・・当時、洞穴に安置されたイエス様の場合は「裕福な人々の家族墓地」で、一般的には敷地内に土葬で、石棺や木製の棺桶に寝かせ、それを埋めます。さらにその上に石を摘んだり、簡易の納骨堂を建てます。後者は土葬ですから、腐敗が早く、前者は墓を封鎖してしまったら、なかなか腐敗がすすみません。そこで、布に包み腐敗が早く進むための薬品を塗りこみとありました。ユダヤ人は日本同様、定期的に墓参りをし、腐敗している遺体が見えないように、その度に、全体を白色の漆喰で塗りなおす必要があったのです。つまり、墓が鮮やかな白色であればあるほど、死者への敬意を表していることになるのです。以下に取り繕っても中身のない生き方しかできていなかった彼らの様子を表しています。
⑧わざわいだ、偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちは預言者たちの墓を建て、義人たちの記念碑を飾って・・・預言者たちを殺害してきたのは、ユダヤ人の父祖たちであり、更に言うなら、この預言者たちを迫害してきたのは、王宮専属の宗教家顧問たちでした。
🔶以上8つの汚点を持つ宗教指導者への父なる神様の裁きは尋常のものではないはずです。やがて来るローマ軍の侵攻により神の都エルサレムもそして当時の宗教指導者も完膚無きまで滅び尽くされるのです。それだけでは済みません。彼らには父なる神様からの直接の怒りの裁きの場所が待っているのです。