ウジ虫はゲヘナの監視者
≪なるほどTheBible≫2022/08/26
=ウジ虫はゲヘナの監視者=
ゲヘナでは、彼らを食らううじ虫が尽きることがなく、火も消えることがありません。"
マルコ9:48(新改訳2017)
💚学問的に言うと、ウジ虫と呼ばれるのは、「ハエ目短角亜目・環縫短角群に属する昆虫の幼虫」のことです。脚は全くなく、頭も見かけ上は存在しません。細長い体には付属物がほとんどなく、頭部の方がとがっています。後方に気門が開き、そこを水面に出せば呼吸ができます。この体形は水生昆虫に見られるものです。どろどろに溶けた腐敗物も液状ですからウジ虫にとっては快適な環境となります。この仲間の幼虫は全体としては森林土壌や水中、陸上などの様々な環境に生息する種があり、必ずしも不潔なものではありません。しかし、人間にとっては腐肉や糞などに発生する蛆が最も身近で印象が強いため、ウジ虫と言えばこのようなものに発生する物と思われています。
💚蛆(ウジ)虫は、正常な組織や生きている組織を食べることはけっしてありません。と、いうことは、上の聖句にあるゲヘナに湧いているウジ虫が食しているのは、「死人」ということになります。「うじ虫が尽きることがなく」の表現は少々妙です。死人はウジ虫により原型がなくなるまで分解されるはずです。でもここでは「ウジ虫が尽きない」とあるので、ここに登場するのは「永遠に生き続ける死人」ということになるわけです。ウジ虫はゲヘナの住人を見つけては集っていくわけですから、「ウジ虫はゲヘナの監視者」とも言えますね。
💚「死は永眠すること」と葬儀の際に教えられてきましたね。ところが、仏壇にあるご位牌を前にして、子孫である私たちは、永眠されたはずのご先祖様の眠りを破り、「何事かの願い」を叶えてもらおうと毎朝祈る人々がいます。そうなると、ご先祖様は生前願っていたような「快適な安眠」ができず、地上のビジネスマンの様に、「限りなく増え続ける子孫のための昼夜を問わずの労働」を強いられることになります。これもまた地獄の様ではありませんか?
💚日本人のキリスト者が大きな勘違いをしているのもこの点です。召天された兄弟姉妹は、仏式で言うところの永眠状態にはいません。ですから、地上にいる子孫とは完全に連絡が取れない状況に置かれています。「地上にいる私達のことを日々心に掛けなければならない生活」や「四六時中私達を見守る生活」を強いられることは決してないのです。