マルコの福音書4章

マルコの福音書4章
=本章の内容=

❶2種類の種まきの譬えとその解き明かし❷湖を渡る弟子たち

=ポイント聖句=

さて、その日のこと、夕方になって、イエスは弟子たちに、「さあ、向こう岸へ渡ろう」と言われた。(4:35)

=黙想の記録=

●随分前のことですが、韓国でご奉仕をさせていただいた時のことです。平日の婦人の集会で福音を語らせていただきました。30人くらいのご婦人たちのほとんどが当時の私から見ればずっと年配の方々でした。その時に拝読したのが「湖を渡る弟子たち(10:35~41)」の箇所でした。イエス様は「朝でなく、昼でもなく、夕方に」「さあ、向こう岸へ渡ろう」と言われたのはこのご婦人たちの為でもあると導かれました。ガリラヤ湖は夕刻過ぎると、山から湖へ急な突風が吹くと言われています。現に弟子たちもその突風に悩まされていました。目の前にいるご婦人たちは大東亜戦争・朝鮮動乱を始め、人生の艱難辛苦を味わってきた方々です。ところが、いくら儒教の国とは言え、やはり日本と同じように粗大ごみ扱いにされるご老人も多いのです。向こう岸が「安楽の彼の地」と説明するのは簡単です。しかし、それだけで、「予測できなかった突風が引いているような現状」を彼女たちが納得できるでしょうか。「私たちがおぼれて死にそうでも、何とも思われないのですか」は、人生の黄昏時にも拘わらず不遇な境遇に巻き込まれているご婦人の叫びに聞こえてきませんか。「どうしてそんなにこわがるのです。信仰がないのは、どうしたことです。」 今回のメッセージの中核はこのみ言葉でした。