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ルカの福音書13章-2

2024年10月24日

ルカの福音書13章-2
=本章の内容=

➎神の国のたとえ➏狭い門➐エルサレムを嘆く

=ポイント聖句=

わたしは、きょうもあすも次の日も進んで行かなければなりません。なぜなら、預言者がエルサレム以外の所で死ぬことはありえないからです。(13:33)

=黙想の記録=

●からし種とはクロガラシのことで、一粒の大きさは0.5ミリ程度で。成長すると3mほどの高さになり、イスラエルでよく見かける灌木です。一地方の宗派「ナザレ派」とみなされていた教会が、全世界に拡大していくとの預言とは見られないでしょうか。ところが、「空の鳥が枝に巣を作りました」単に「鳥」と言わずに「空の鳥」との表現から、この世を支配するサタンと見る説もあり、規模化していくキリスト教会にいつの間にか、サタンが根城にしてしまうことへの危惧とも考えられるのです。

●1サトンは約 13Lですから三サトンなら 39Lになります。イースト菌によって、充分膨らんだところで焼いてパンを作ると約4倍程度の大きさになりますから、できあがるパンは全部で156Lというかなり大量になります。ここではパン種に着目しているので、「ほのひとつまみ」のことを問題としているのです。パンを作った経験のある方ならわかると思いますが、1L足らずの麦粉を捏ねるのにも結構な時間がかかるのだから、39Lの麦粉を全部一人でこねるには相当の手間がかかるはずです。果たして一人で 156 食分を作れるのでしょうか。この作業は幾人が協力し合わない限り一定時間内には作ることは不可能です。しかし、このパンを食べる人々の為誠心誠意パンをこねている様子が見えてきませんか?

●この2つの喩えは、イスラエルのほんのひとにぎりの人々から始まった教会が全世界に拡大していくことを表現したものには違いないのですが、どうもここでは二種類の教会のタイプがあると、仰っているように思えて仕方がないのです。つまり巨大化するのですが、同時にサタンが容易に潜入され利用されてしまう教会、父なる神様を喜ばす目的の為協力し合う小さな群れの教会。

●見つけるのに苦労するほどの小さな門、そして敢えてこの門から入門する人はほぼいない。それが狭き門です。つまりユダヤ教主流派からすれば、とるに足りない存在であったナザレ派のことを指しているのです。救いには期限があります。門が閉じられてからでは遅いのです。主流から反対を受けようが、あえて今入信する必要性があることを指しているのではないでしょうか

●パリサイ人がなぜ危険が迫っているよいうようなことをイエス様に警告したのでしょうか。彼らは、イエス様の安否を気遣っているのではなく、追っ払いたいだけなのです。受難のキリストは預言通り、この地上の生涯の終えるときは、エルサレムで命を絶たれるのであって、ヘロデのいるところペレアではないのです。「私の心配より自分たちの未来を思うべき」とイエス様は嘆きながら預言された箇所です。西暦70年のローマ軍によるエルサレム陥落、さらに長期間イスラエル国家は歴史から抹殺されていくのです。

●教会は拡大していくのです。しかし、その基となったのはイエス様の受難の事実です。ルカは、これから戦いに臨もうとされている勇ましいイエス様の姿が余韻として残る締めくくり方をここで書き留めているのです。