士師記20章-2
士師記20章-2
=本章の内容=
❽イスラエル二度の敗戦❾イスラエルの勝利
=ポイント聖句=26,イスラエルの子らはみな、こぞってベテルに上って行って泣き、そこで主の前に座り、その日は夕方まで断食をし、全焼のささげ物と交わりのいけにえを主の前に献げた。
=[戦いの経緯= [1]兵の招集ベニヤミン族:歩兵26000人+精鋭部隊600人(ギブア)Vsイスラエル:40万人 [2]イスラエル:主の指示を仰ぐ①・・・ユダ族が先鋒となる [3]イスラエル:朝ギブアに陣を敷く [4]ベニヤミン:1度目の戦闘*22000人のイスラエル兵を滅ぼす [5]イスラエル:主の指示を仰ぐ②・・・戦闘続行か否か→続行 [6]ベニヤミン:2度目の戦闘*18000人のイスラエル兵を滅ぼす [7]イスラエル:主の指示を仰ぐ③・・・断食。全焼のささげ物と交わりのいけにえ。戦闘続行か否か→続行 [8]イスラエル:3度目の戦闘-1*ギブアの周りに伏兵を置く→イスラエル兵30人を失う [9]イスラエル:3度目の戦闘-2*精鋭一万人はバアル・タマルで陣備えをしギブアに攻め込む。伏兵たちはマアレ・ゲバから躍り出す。 [10]ベニヤミン:25100人が殺される [11]イスラエル:バアル・タマルから撤退する→ベニヤミンがギブアから誘われて出て来る→イスラエル兵30人を失う [12]イスラエル:伏兵がギブアを急襲し焼き討ちをかける [13]イスラエル:本体と伏兵がベニヤミンを包囲する→ベニヤミン18000人が殺される [14]イスラエルの追撃:リンモンの岩でベニヤミン5000人、ギデオムで2000人を殺した。 [15]ベニヤミンの敗走:600人が四か月間リンモンの岩にとどまった。 [16]イスラエル:「48,ベニヤミンに属するものを男も女も子どもも家畜も打ち、町々村々を片っぱしから焼き払いました。(リビングバイブル)」 =黙想の記録=❽15-25節:イスラエル二度の敗戦・・・前述した様に本来ならベニヤミン族を含め12部族のかしらが一堂に会し正確な裁判を開く必要があったのです。それを省略してしまうのは召集の目的はベニヤミン族殲滅の野心に他ならないのです。ギブア人のならず者を引き渡すのを拒んだことを口実にならず者の処罰からベニヤミン族殲滅の野心に変わっているのです。イスラエルは二度の敗戦の前に主にお伺いを立てる場面が出てきます。しかしこのお伺いは初めから筋書きが決まっている小芝居に過ぎなかったのです。「だれが最初に上って」とお伺いを立てた時、ユダが先鋒となることを初めから決めていたのです。主なる神様はこの小芝居を見抜けない方ではなかったのです。当然イスラエルは2度も大敗します。
❾26-48節:イスラエルの勝利・・・2度の敗戦でイスラエルに後悔の念が広がっていきます。そもそもこの戦いの動機がどこにあったのかを多くの同胞を失って初めて気が付くのです。ここで初めてイスラエルは本物のお伺いを立てます。ここにかなり歳を重ねたピネハスが登場します。ヨシュア記22章のヨルダン川東岸の2.5部族が祭壇を築く大事件を引き起こした時に状況収集に赴いたあのピネハスです。ピネハスはペオル山での偶像礼拝(民数記25章)の時24000人のイスラエル人が神罰を受けることになるはずでしたが、その神罰を止めたのがピネハスの勇敢な行動だったのです。初めからピネハスに依頼すればよかったのです。イスラエルの真の悔い改めを見たピネハスは主なる神様に改めて戦いの真意を尋ねます。「兄弟(同胞)ベニヤミンと戦うべきでしょうか」とのピネハスの神様への問いかけを40万人を招集する前にしておくべきだったのです。
*基督者においても神様の御計画を十分お伺いすることなく、自分の計画を成し遂げたいという思いに駆られ聖書から霊的な意味を後付けすることがあります。正にこの時のイスラエル11部族と同様なのです。
恐らくピネハスを含む古老たちの意見を聞いたのでしょう。慎重な作戦を立て直します。この伏兵を誘い水にするという作戦はヨシュア時代に司令官であった古老の意見と思われます。(ヨシュア記8章のアイとの戦い)この作戦が功を奏し今度はベニヤミンが大敗します。「48その後イスラエル軍は引き返し、ベニヤミンに属するものを男も女も子どもも家畜も打ち、町々村々を片っぱしから焼き払いました。(リビングバイブル)」とありますが、これが21章の伏線となっています。ベニヤミン族もまた主なる神様が愛される部族だったことが21章で語り告げられています。
地名①バアル・タマル(33):英語Baaltamar;ヘブル語バアル・タマール[掌の主君]
地名②マアレ・ゲバ(33):英語meadows of Gibeah;ヘブル語メェレー・ギブア―[平原・丘の]
地名③リンモン(45):英語Rimmon;ヘブル語リェモーン[ざくろ]