士師記18章-2

士師記18章-2
=本章の内容=
❹ミカの家からの略奪❺ライシュ殲滅
=ポイント聖句=19,彼らは祭司に言った。「黙っていなさい。手を口に当てて、私たちと一緒に来て、私たちのために父となり、また祭司となりなさい。あなたは一人の人の、家の祭司となるのと、イスラエルで部族また氏族の祭司となるのと、どちらがよいのか。」
=黙想の記録=❹13-26節:ミカの家からの略奪・・・600人の兵を引き連れ斥候5人は北上します。その途上にミカの家に立ち寄りますが、そこから礼拝所にあるエポデやテラフィム、彫像や鋳像を強奪します。祭司となったレビ人はこの蛮行に声を上げるのですが、門口にいる600人の兵を見て二の句を告げません。かえって斥候に脅されます。ところが斥候はミカ一族の祭司を捨てダン族の祭司となることを提案するのです。「20,祭司の心は躍った。彼はエポデとテラフィムと彫像を取り、この人々の中に入って行った。」とあるように犬がしっぽを振って主人についていくようにそそくさと彼れの後に従うのです。このレビ人にミカに対する義理を果たそうとする思いやイスラエルの正義を重んじる勇気があったのなら、600人の兵が居ようが居まいが、ダン族を諫め帰したことでしょう。ダン族は礼拝所の一式を強奪するだけでは飽き足らず、ミカ一族の家畜、家財、挙句の果てには子供まで強奪していくのです。子供は終生の奴隷として酷使される場合があるのです。この騒動に気付いたミカとその一族はダン族の一団を追います。ところがミカ一族が追いつくやここでも兵達はミカを脅かし口を封じてしまうのです。ミカ一族はすごすごと家に戻ってしまうのです。ここにもミカの宗教心の裏側が透けて見えてしまうのです。ミカが信奉する神々に願いを叶える力があったのなら、この事態を取集する様に願えるはずです。ミカは初めから信じる神々に力がないことを知っていたのです。礼拝するほど大事な神々なら死守すべきですが、自分の命に危険を感じれば平気でその神々を捨てることができるのです。さらわれた一族の子供達さえ取り戻そうとしないのです。子供たちの将来を何とも思っていない証拠です。ここに私達は偽物の宗教とその信奉者の矛盾を見ることができます。
❺27-31節:ライシュ殲滅・・・ダンの兵達はライシュを難無く殲滅してしまった。ライシュの住人と同じ民族の人々は助けに来ることはなかったことが表現されています。種々の神々を信奉している彼らにとって人間の支配者が彼らの救世主です。しかし人間の支配者は損得勘定で判断する為、不必要無価値な民は平気で切り捨てられるのです。かつてのイスラエルは同族意識故の団結力がありました。それは創造者であり唯一の主なる神様を信じる信仰が生み出しているものです。しかしその信仰を捨てた後に来るのは分裂なのです。ダン族の行動は正義の欠片も残っていません。欲するまま突き進んでいるだけです。ダン族はその後部族ごとイスラエル北方に大移動します。ダン族の奉じた宗教は以降北イスラエルの宗教の中心となります。偶像を宮に安置しただけでなく祭司もレビ族以外から選抜するのです。
※偶像とは鋳造彫像された神々のことだけではありません。アルコール、ギャンブル、性欲、物欲権力よくなどなど、私達の生活を支配するものは全てこの世の偶像と言えます。養父であり慈愛に富む神様に心を支配される人こそ基督者なのです。
地名①シドン(28):英語Zidon,;ヘブル語スィ・ドーン[狩猟]・・・地中海沿岸にある漁業の町。ツロの40km北側。アシェル部族の領地内に居留していたが決して征服されなかった。シドン人は長い間イスラエルを抑圧してきた。
地名②ベテ・レホブ(28):英語Bethrehob;ヘブル語ベイス・レホウブ[通りの家]・・・ライシュのあった場所
=注目人名=人名①ゲルショム(30):英語Gershom;ヘブル語ギィエショーン[外国人]
人名②ヨナタン:英語(30) Jonathan;ヘブル語ヨナサーン[主なる神は与えてくださった] =注目地名=