最新情報

士師記17章-2

士師記17章-2
=本章の内容=

❷レビ人の霊的腐敗

=ポイント聖句=

11-13,このレビ人は心を決めてミカと一緒に住むことにした。この若者はミカの息子の一人のようになった。ミカがこのレビ人を任命したので、この若者は彼の祭司となり、ミカの家にいた。そこで、ミカは言った。「今、私は、主が私を幸せにしてくださることを知った。レビ人が私の祭司になったのだから。」

=黙想の記録=

❷6-13節:レビ人の霊的腐敗・・・イスラエルの霊的模範として主なる神様が特別に選別されたのがレビ人です。彼らには他部族の様な分割地はありません。また全国48か所(逃れの町6か所を含む)の居住地がありましたが、農耕地や放牧地としては十分な広さではありません。民数記18章にある様に彼らの生活は他部族の支援で成り立っていたのです。イスラエルの全部族が主なる神(ヤハウェ)への信仰を捨て土着の宗教に染まっていけば、当然主なる神に仕えるレビ人を支える意義など見出すことができません。ここに登場するレビ人の様に生活の安定の為に指定された町を離れ寄留する所を求めて旅を続けることは多々あったのです。レビ人はイスラエル諸部族の教育係です。清貧に甘んじ自ら犠牲を強いても諸部族に寄り添うことが求められ散るのです。ですから若いからと言ってこのレビ人の生き方は明らかに主の御心に反しています。ここにレビ部族の霊的腐敗が見て取れるのです。このレビ人の故郷はユダ族のベツレヘムです。そこから出てきてしまったということはユダ族がレビ人を支える義務を積極的に担わなくなっていたことも表しています。「10,よろしければ、ここにとどまってください。私どもの祭司になっていただきたいのです。毎年、銀十枚と新しい衣服ひとそろい、それに生活費いっさいを面倒みて差し上げますよ。」(リビングバイブル)のミカの提案はこのレビ人の若者にとって心躍るものでした。それは第一に「祭司」という役職のことです。そもそも祭司職は任命制ですからレビ人と言う理由だけで祭司になれるわけではありません。またヘブル語では「父となり祭司となり」とありますから、若輩ながら一族を教育する立場につくことを意味しています。これもこんな流浪の生活をしている若者に任せられることではありません。祭司としての修行を相当年数受けなければならないところを抜け出した劣等生なのですから。第二に生活費を支弁され、その他に毎年銀十枚(約15万円)を手にすることができるのです。「11,このレビ人は心を決めてミカと一緒に住むことにした。この若者はミカの息子の一人のようになった。」とあります。「ミカの息子のようになった」とは何も束縛もない自由な生活を満喫したともとれるのです。『13「私は今、主からほんとうに祝福していただいた。正真正銘の祭司がいるのだから」と、彼は感激して言いました。』(リビングバイブル)とあるようにミカが有頂天になっていることを表現したものです。これでミカの立ち上げた宗教は盤石になったと思えたからです。
※立派な教会堂を立て肩書のある指導者を迎え、時にはキリスト教界隈で有名なアイドル(著名な人物)を呼びコンサートや講演会ができる。こうした教会こそ盤石な教会と思うのはこのミカの私設礼拝所と何ら変わりがないのです。「神の国は何に似ているでしょうか。何にたとえたらよいでしょうか。それはからし種に似ています。ある人がそれを取って自分の庭に蒔くと、生長して木になり、空の鳥が枝に巣を作りました。」(ルカ13:18~19)。空の鳥は以降為に巨木に集まっているのではありません。この空の鳥は空中の権威を持つ悪魔のことです。この世の尺度で盤石と思える様な教会には悪魔の巣窟となることさへあるのです。

=注目語句=

語句①レビ人(7) :英語Levite;ヘブル語レビ― ・・・レビ人に与える町は、全部で四十八の町で、放牧地付きである。(民数記35:7)イスラエルの子らが奉納物として主に献げる十分の一を、わたしが相続のものとしてレビ人に与える。(民数記18:24)彼らに与えられた土地は3000キュピト(50cm×3000=1.5km)四方(2.25 km²)。民数記3:39には生後一か月以上のレビ族の男の数は22000人とあることから、士師記の時代には少なくてもこの2倍つまり44000人以上のレビ人が存在したことになる。人口密度は44000人÷48÷2.25 km²=407人/km²となる。この人口密度は長野県朝日村の人口密度を若干下回る程度。ちなみに東京都の人口密度15600人/ km²。日本全国の平均人口密度は340人/km²。こう考えると息苦しい程狭いという感覚ではない。にも拘わらず居住地から逃げ去ってしまう動機はいったいどこにあるのでしょうか。

=注目地名=

士師記

Posted by kerneltender