最新情報

士師記16章-1

士師記16章-1
=本章の内容=

❶ガザの遊女❷ハニートラップ

=ポイント聖句=

15-16,彼女はサムソンに言った。「あなたの心が私にはないのに、どうして『おまえを愛している』と言えるのでしょう。あなたはこれで三回も私をだまして、あなたの強い力がどこにあるのか教えてくださいませんでした。」こうして、毎日彼女が同じことばでしきりにせがみ、責め立てたので、彼は死ぬほど辛かった。

=黙想の記録=

❶1-3節:ガザの遊女・・・15章でサムソンは主なる神様の存在を意識していたはずなのです。主なる神様の存在を意識するだけでは自分を変えることはできないのです。意識をもって自分を律する必要がありそれには信仰の鍛錬が必要ですがサムソンはそれができません。時間が経過するとまたまた肉欲を優先させてしまう事件を起こします。ガザはペリシテ人五都市の一つで交易により巨大な富を得た都市でサムソンが楽しめるすべての要素があったところです。遊女と関係を持つのはナジル人の誓い以前の問題です。サムソンにとって女性は単なる性のはけ口であって女性を一人の人物として捉えることができなかったのです。彼にとって性交渉は単なるゲームだったわけです。男女を結び付け愛情を深め合う為という大人の考えができなかったのです。ところが待っていたのはサムソンを付け狙う刺客でした。「2,・・・明け方まで待ち、彼を殺そう」と言ったのは酔いつぶれるのを待ったからです。ところがサムソンは裏をかいて真夜中に脱出してしまいます。「町の門の扉と二本の門柱を抜き去る」は戦いに勝利した軍が戦勝記念とする為の行為です。サムソンが意識して行ったとすれば彼に士師としての意識が芽生えたことになりますが、単なる座興かもしれません。しかし、その門柱をヘブロンまで勾配のある60kmの距離を運んで行ったとすればこれは座興とは言い切れないでしょう。

❷4-16節:ハニートラップ・・・ペリシテ人の領主は迂闊にサムソンの捕縛に向かえないのです。それは神懸かり的な力で1000人の同胞を殺害した経緯があるからです。サムソンの力の秘密を聞き出しその力を封じ込める方法を知るためにハニートラップを仕掛けたと思われるのです。ソレイクの谷がユダ族の分割地にあったのでよもやデリラがペリシテ人に組していたとは思いもよらなかったのです。ペリシテ人領主たちはデリラに莫大な銀貨を与えていました。秘密を引き出すために女性の全ての武器を使ってサムソンを凋落しようとしたのです。サムソンはデリラのたくらみを知っていたと思われるのです。それでもデリラの魅力の勝てずにデリラの泣き落としに三度も答えてしまいます。罠にかかったふりをしてその罠をいとも容易く潜り抜けてしまうことができるのをサムソンにとっては爽快だったことでしょう。ところが『15デリラは泣き出しそうな声で言いました。「よくも愛してるなんて言えるわね。ちっとも私を信用してくれないくせに。もう三度もだまされたわ。それでもまだ、力の秘密を教えてはくれないのね。」(リビングバイブル)』と今度は別れ話をちらつかせてサムソンを意のままにしようとしたのです。サムソンは好かれることはあっても愛されることを体験して来なかった人物です。「16,・・・死ぬほど辛かった。」とは失恋の痛手を負った方なら少しぐらいは理解できる感情でしょう。しかし、恋心を繋ぎとめるために自分を死に追いやるかもしれない秘密を明かすとは。どれだけサムソンは愚かな人物なのでしょう。でもこれが一般男性の性なのです。

=注目語句=

語句①デリラ(4):英語Delilah;ヘブル語デリラー[弱い,薄弱]・・・名前に似合わず彼女にはサムソンがぞっこんほれ込むような女性としての全ての魅力が備わっていたと思われる。

語句②銀千百枚(5):英語eleven hundred;ヘブル語エリッフ[1000]・・・ペリシテ人領主は当時5人いたと思われるので銀貨5500枚は11.4g×5500=62700g×(現在相場123円/g)= 7,712,100円です。当時20シェケルで奴隷1人と交換できていたので275人分の奴隷を所有することができる。アブラハム時代の1シェケルは1日の日当に相当するので現在の日本人の日給平均16000円×5500シェケル=88,000,000円とも考えられる。

語句③辛い(16):英語was vexed;ヘブル語カッセール[焦る,気に障る,悲嘆する, 落胆する] =注目地名=

地名①ガザ(1):英語Gaza(Azza);ヘブル語アェザー[強い]・・・地中海に近いパレスチナ南西部に位置するペリシテ人の都市。エジプトと交易上極めて重要な都市であった。ペリシテ人の五大都市中で最南端に位置する。 11.4g×10シェケル×123円=14,022円
地名②ソレクの谷(4):the valley of Sorek;ヘブル語ナハェル・ソレイク[谷・ぶどうのつる]

士師記

Posted by kerneltender