士師記12章

士師記12章
=本章の内容=
❶エフライムとの戦い❷その後の士師
=ポイント聖句=3,あなたがたが救ってくれないことが分かったので、私はいのちをかけてアンモン人のところへ進んで行った。そのとき、主は彼らを私の手に渡されたのだ。なぜ、あなたがたは今日になって、私のところに上って来て、私と戦おうとするのか。
=黙想の記録=❶1-7節:エフライムとの戦い・・・モーセに代わってイスラエルを指揮してきたのはヨシュアでヨシュアはエフライム部族です。またエフライム部族の分割地には礼拝の中心地シロとべテルが在りました。ゆえにこの部族のプライドは並々ならぬものがありました。さらに所領を多く持ちたいとの欲求も人一倍あったのです。アンモン人との戦いが集結するとこの期を待っていたようにエフライムがいちゃもんを言ってきます。これはギデオンの時(士師記8:1-3)と同様です。戦闘の結果が見え始めると来るのはあまりのも姑息です。ギデオンはこの時懸命な対応をとることで難を避けました。ですが今回は「1,・・・あなたの家をあなたもろとも火で焼き払おう。」と恫喝してきたのです。これはエフライム族とエフタの軍勢に圧倒的な兵力の差があったことによるのです。しかしエフタは一歩も引きさがりません。そこで「4エフタは、エフライム族が「ギルアデの者らはどこの馬の骨かわからない、人間のくずだ」と侮辱するのに激怒し、兵を集めてエフライム軍を攻撃しました。(リビングバイブル)」ここにエフタの一本気な性格が見て取れます。相手がどれほど強者であろうと、自分が危険に晒されようとも正義を貫く性格です。「勇敢な人」(士師記11:1)と呼ばれるのはこのようなところです。結局エフライムはこの戦いで敗れ42000人の兵を失う(6節)ことになります。最強軍団が弱小部族に陥ってしまったのです。ヨルダン川の渡し場での虐殺事件の様子(5-6節)は、関東大震災で埼玉から群馬に逃げ込む朝鮮人を自警団が捕らえ殺害する事件と酷似しています。日本語が上手に発音できない者を橋の袂で殺害したのです。群馬県は新島襄や内村鑑三などの基督者の影響を受けて来た県であり、生命を重んじる母性の強い県でもあったので朝鮮人の逃げ込み場所となりました。エフタはヨルダン川東部を中心に6年間士師として活躍します。
❷8-15節:士師イブツァン・エロン・アブドン・・・エフタの死後のイスラエルの様子が記されています。共通しているのは士師たちには子供が沢山いたことですが、血族で政権を固めるのは同胞イスラエル人と言えども迂闊には信じられないことを舌下に語っているようです。またアブドンの子や孫がロバに乗っていた表現は王族の様に振舞ったことを表現したものです。また。またはイブツァンは三十人の娘を自分の氏族以外の者にとつがせ、自分の息子たちのために、よそから三十人の娘たちをめとったとあるのは、正に政略結婚です。他部族との姻戚関係を推し進めることで実質的な統治範囲の拡大を狙ったものと言えます。イブツァンは7年、エロンは10年、アブドンは8年と短命でしたが平和は保たれました。でも何れの士師も政治を私物化しているのは否めません。この流れはやがてイスラエルが主なる神様中心の民主的な国家から専制君主国家に変貌していくきっかけになっています。
=注目語句=