ユダの手紙 1章
❶挨拶②教会に忍びこんできた者❷旧約聖書の検証➌躓きを避ける為に
=ポイント聖句=というのは、ある人々が、ひそかに忍び込んで来たからです。彼らは、このようなさばきに会うと昔から前もってしるされている人々で、不敬虔な者であり、私たちの神の恵みを放縦に変えて、私たちの唯一の支配者であり主であるイエス・キリストを否定する人たちです。(1:4)
=黙想の記録=●本章冒頭でユダはヤコブ書のヤコブと兄弟関係であることを記しています。イエス様のご兄弟は、ヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダと二人の姉妹がいました。(マタイ13:55-56)ヤコブ同様、イエス様をキリストと受け入れることができたのは、復活直後です。マタイ13章後半に記されている様にイエス様への信仰はもちろん尊敬の念すらありませんでした。大工として身を粉にして働いたのはこの弟達の為でもあったのですが。しかし、本書1節で、イエス様との関係性をユダは「キリストのしもべ」と言い切っています。その後で「ヤコブの兄弟」と控え目な言い方を使ってイエス様との兄弟関係にあると述べています。ユダはこの順序に拘っているのです。「私はイエスの弟だ」と自己紹介を始めたのなら、他の基督者には鼻についたことでしょう。
●「しもべ」は名前がない立場の人たちのことです。更に肩書きなど何の役に立ちません。あなたにとってイエス様との関係性は?「友ですか。兄弟ですか。弟子ですか。」それとも「しもべ」ですか。
●ユダは当時の基督教会にとても危惧していたことがあります。既に教会の中に潜入していた人物のことです。それはグノーシス主義者などの明らかに異端と分かる人々だけではありません。ユダは「不敬虔な者、恵みを放縦に変える人」とも表現しています。イエス様をキリストと認めない「明らかな異端者」と同様に「旗色不鮮明な異端者予備軍」の存在にも危険性を感じていたのです。彼らの生活は「放縦」つまり「自己中心」だったのです。自分が人生の主人公であり、自分の為の教会と言う意識しか持てなかったのです。
●本章の面白さはここに記録された特異事例です。
①荒野をさまよっている時に滅ぼされたイスラエル人
②永遠の暗闇に追放された堕天使
③火によって滅ぼされたゾドムとゴモラ
④モーセの葬られた場所を知りたがる悪魔の問いに答えなかった天使ミカエル。悪魔はモーセの墓をユダヤ人の礼拝の場所としたかった
⑤カイン、バラム、コラについて
●これらをまとめるなら、「神様並びに神様のなさる全ての技を否定し、放縦な生活を愛し、真の信徒を神様から引き離す」ことをする人々のことです。