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ヨシュア記22章-1

ヨシュア記 22-1章

=本章の内容=

❶祭壇を築いた2.5部族とピネハス

=ポイント聖句=

16,「主の全会衆はこう言っている。『これは何事か。あなたがたが今日、主に従うことをやめてイスラエルの神の信頼を裏切るとは。あなたがたは自分のために祭壇を築いて、今日、主に反逆したのだ

=黙想の記録=

●1-9節ではヨルダン川東側に居た部族の帰還の様子が描かれています。ルベン人、ガド人、およびマナセの半部族(2.5部族)はすでにヨルダン川西岸に土地を割り当てられていましたが、モーセとの協約約5年に渡るカナン攻略に加わってきました。(ヨシュア1章) 5-6節でヨシュアは最後の薫陶を彼らに与え彼らをギルアデの地に帰還することを宣言します。故郷には年老いた父母や妻子を残しています。この5年間農作業や牧畜は全て彼らに任せてきました。「故国への帰還」の言葉に彼らはどれほど安堵できたことでしょう。またヨシュアは手ぶらで帰還させるようなことをせず沢山の財を彼らに与えたのでした。「3,今日まで、この長い間あなたがたの兄弟たちを捨てず、あなたがたの神、主の命令に対する務めを果たしてきた。」とヨシュアが評価している通り、他部族の為に尽力してきたことが分かります。と、ここまでは何の問題もありませんでした。
●10-34節には、帰還途中この2.5部族がイスラエルの中心指導者達に何の相談もなく主の祭壇を築いてしまうのです。しかも渡河した近くのヨルダン川西岸地域に遠方からも見えるほどの巨大な祭壇だったのです。すでに祭壇は幕屋とともにヨシュアの命によりシロに設置されています。幕屋は移動式の神殿であり、そこには主なる神様によって命じられた通りにあつらえた契約の箱、垂れ幕、様々な調度品がありました。更に儀式を執り行う祭司の服や装飾品もです。ところが彼らが建造したのは祭壇だけで他の物は一切無視しています。更に更に儀式を執り行えるのはアロンの子孫だけです。神の臨在はシロの幕屋にあるのです。それを別の場所で真似することは自分たちで神を新たに作りだす偶像礼拝に陥ったと見えるのです。ヨルダン川東岸の部族にとっては戦勝記念に見えるでしょう。ところが西岸の部族には新たな国家をスタートさせる造反の狼煙のように見えたのは当然のことでしょう。ヨシュアの元を発って幾許もないこの時期です。初めから造反の手立てを計画していたと思われても仕方がないのです。2.5部族の指導者にはイスラエル人の同胞と相談するという行程が欠けていたのです。
●活発な若い基督者ほど犯しやすい問題はこの2.5部族の指導者と同様なのです。多くの相談相手や祈りの友を持たない若者ほどこうした自分本位な行動に走りやすいのです。自分を客観視できない未熟さがそうさせるのです。
●13節でピネハスを真偽を確かめるために残りの全部族から派遣されました。ピネハスが派遣されたのには理由があります。ピネハスはかつてイスラエル内で起きた事件の解決に尽力してきた人物だったのです。以下にその事件の概略をリストアップします。つまり偶像礼拝の大罪を犯した部族に対してはモーセの意志=神様の命令を貫徹した人物だったからです。ピネハスは経験を積んでいる人物こそ人々の信頼を獲得できる事の典型例です。
(1) ペオル山での偶像礼拝(民数記25章)・・・イスラエル人の若者がモアブの娘たちに誘惑され淫行を犯しただけでなく彼らの神々に犠牲を奉げる儀式に加わってしまった。その結果24000人のイスラエル人が神罰を受けることになる。その神罰を止めたのがピネハスの勇敢な行動であった。
(2) ミデヤン人への報復(民数記31章)・・・イスラエル人を偶像礼拝に引き込んだのはモアブに住むミデヤン人であることが判明する。モーセはミデヤン人の掃討をイスラエル人に命じる。その戦闘に率先して出向いたのがピネハス。
●16-20節:ピネハスは私情を挟むことなく、ペオルでの不義やエリコでのアカンの不義に対して大きな神罰が下されたことを引き合いに出し、2.5部族に悔い改めを迫ります。

ヨシュア記

Posted by kerneltender