ヨシュア記19章-1
ヨシュア記 19章-1
=本章の内容=
❶カナン分割の記録(7)シメオン族(8)ゼブルン族(9)イッサカル族(10)アシェル部族
=ポイント聖句=9,シメオン族の相続地はユダ族の割り当て地から取られた。ユダ族の割り当て地が彼らには広すぎたので、彼らの相続地の中にシメオン族は相続地を受けたのである。
=黙想の記録=【シメオン族の分割】「9,シメオン族の相続地はユダ族の割り当て地から取られた。ユダ族の割り当て地が彼らには広すぎたので、彼らの相続地の中にシメオン族は相続地を受けたのである。」とあり、彼らの分割地はユダ族の御下がりとも言えるでしょう。17つの町の全てはユダ族の分割地内にあります。シメオン族はかなり早い段階でユダ族に吸収されていたものと考えられています。
[シメオン族に対するヤコブの遺言]創世記49:5~7,シメオンとレビとは兄弟、彼らの剣は暴虐の武器。わがたましいよ、彼らの密議に加わるな。わが栄光よ、彼らの集いに連なるな。彼らは怒りに任せて人を殺し、思いのままに牛の足の筋を切った。のろわれよ、彼らの激しい怒り、彼らの凄まじい憤りは。私はヤコブの中で彼らを引き裂き、イスラエルの中に散らそう。・・・創世記34章のシェケム家に対する二人の残虐な行為(34:25)を見据えた遺言と思われます。
【ゼブルン族の分割】マナセ族(ヨルダン川西岸)の分割地の北東部に位置し南西から北東部に掛けてのとても狭い地域です。北西がアシェル族と北東がナフタリ族、南西がマナセ族と南東がイッサカル族に囲まれていました。肥沃な土地で農業や牧畜業が盛んになったところです。
[ゼブルン族に対するヤコブの遺言]創世記49:13ゼブルンは海辺に、船の着く岸辺に住む。その境はシドンにまで至る。・・・ヤコブの遺言には海辺にまで達するとありますが実際のところそこまで届いていません。ところが「しかし、苦しみのあったところに闇がなくなる。先にはゼブルンの地とナフタリの地は辱めを受けたが、後には海沿いの道、ヨルダンの川向こう、異邦の民のガリラヤは栄誉を受ける。(イザヤ9:1)に預言されているように後にメシヤであるイエス様を輩出したガリラヤこそこのゼブルン族の地だったのです。イエス様育ったナザレはかつてゼブルンの分割地内にあります。
【イッサカル族の分割】ゼブルンとイッサカルは母レアの5番目と6番目(末子)の息子です。当然良好な兄弟関係があったのでしょう。ゼブルン族とイッサカル族は共に肥沃なガリラヤ地方の西部に位置しています。くじの順番は弟の方が先でしたが、そこにわだかまりがなかったことから兄イッサカルが弟思いであったことが容易にうかがえます。後にタボル山に両部族共通の聖所を築くのもこの仲の良さを表現しています。
[イッサカル族に対するヤコブの遺言]創世記49:14~15,イッサカルは、たくましいろば、二つの鞍袋の間に身を伏せる。彼は、休息の地が快く、その地が麗しいのを見る。しかし、肩は重荷を負ってたわみ、苦役を強いられる奴隷となる。・・・「二つの鞍袋の間に」とあるのはマナセ族のヨルダン川を挟む分割地のちょうど背中の部分に位置していることと思われます。また「たくましいろば」が意味することは従順でしかも役立つということです。
【アシェル族の分割】この部族の分割地は、ガリラヤ山地の西斜面から西に向かって地中海に達し、南はカルメル山頂から北はツロとシドンの付近にまで及ぶ平地でした。ところが彼らは地中海沿岸の諸都市のほとんどから異民族を追放することができずかえって異民族の影響に染まってしまいました。
[アシェル族に対するヤコブの遺言]創世記49:20,アシェルには、その食物が豊かになり、彼は王のごちそうを作り出す。・・・アシェルの分割地はヤコブの預言通りイスラエルの北部に位置する地中海沿岸の平野で極めて肥沃な土地でした。しかしアシェル族はカナン人と対峙できずかえって山間部に追いやられてしまいます。士師記には異邦人との戦いに加わろうとしなかった様子が記されています。