ヨシュア記16章
ヨシュア記 16章
=本章の内容=
❶カナン分割の記録(3)ヨセフ族❷カナン人の奴隷化政策
=ポイント聖句=10,ただし、彼らは、ゲゼルに住むカナン人を追い払わなかった。カナン人はエフライムのただ中に住んだ。今日もそうである。カナン人は強制労働に服すことになった。
=黙想の記録=●ヨセフ族とはマナセ族とエフライム族のことです。エフライム族は、ヨルダン川の西から約20km地点から地中海東約20kmに至る地域で縦20km横60kmのほぼ長方形の形をしています。中央パレスチナの丘陵地帯であり、12部族の分割地の中で極めて肥沃な地域です。マナセ族の分割地の中にもエフライム族に配分された土地がありました。エフライムの分割地にあるシロはエルサレムが建設されるまではイスラエルの宗教と政治の中心になりました。ヤコブがカナンからハナンへと向かう途中、ルズという町である夢を見ました。地上から天に達する一つのはしごがあり、その梯子を天使たちが上り下りしていたという夢でした。さらにその後主なる神様に出会いこの場所を子孫に与えるという約束まで頂いたのです。ヤコブはこの夢を見た後、主なる神様に対する畏敬の念からその場所をベテル(神の家)と名づけたのです。(創世記28:12~19)つまり宗教的に由緒正しき場所であったのです。エフライム族は当然「私達こそ主なる神様に特別扱いされている部族である」との自負心が起こってくるのです。後に北イスラエル王国として分離してしまった時確かに中心都市ではありましたが、異教異文化に簡単に染まってしまう不信仰な都市にも陥ってしまうのです。
●「またカナン人を追い出すことができなかったので、カナン人はエフライム人と共に住んでいるのです。」とあるようにエフライム族はカナン人を追い払うことをせず、むしろ奴隷化するという同化政策をとったのです。この施策は武力を用いない確かに平和的征服方法の様に思えます。ですが、この同化政策がやがてエフライム族を霊的危機に貶める結果となることをさらさら考えていませんでした。奴隷化政策は明らかに神様の指示された方法ではありません。やがて奴隷と思っていたカナン人との混血が生まれ異教文化が浸透してしまうのに時間はかかりませんでした。
●私達基督者もともすれば合理的または効率的だからと言ってこの世の手段を使って幸福を得ようという愚に陥ることがあります。主なる神様からの指示は不合理で非効率的だと決め込んで勝手に行動することです。あるいはこの世の画期的な手段を用いて神様抜きで自分の人生を闊歩しようとすることです。しばらくは神様抜きでも成功することもあるでしょう。しかしもし主の救いに預かった人物であれば、神様はどんな荒療治を使っても魂を必ず引き戻されます。ちょうど北イスラエルが他国に蹂躙され捕囚に連れていかれたのと同様です。死の陰の谷を歩ませてでも神様は必ず魂を連れ帰る方なのです。