ヨシュア記15章
ヨシュア記 6章
=本章の内容=
❶カナン分割の記録(2)ユダ族❷カレブの娘アクサ
=ポイント聖句=1,ユダ部族の諸氏族がくじで割り当てられた地は、エドムの国境に至り、その南端は、南の方のツィンの荒野であった。
=黙想の記録=●1~12節ではユダ族の土地の境界線が記されています。他の部族と比較するともっとも広大な土地を分割されています。
●ユダ族が征服したアナク人については次の記述がある。カナンを偵察したイスラエルの一隊が、「国中に兵士がおり、住民はたくましい体格をしている。昔の巨人の子孫アナク人もいるし、彼らと比べたら、私たちなど虫けら同然に見える。(リビングバイブル)」とモーセに語る場面がある。(民数記13:31・32)手ごわい相手であることは百も承知の上でユダ族はこの地を選び取ったのです。困難を乗り越えた先にはより大きな祝福が待っていることの教訓とも言えるでしょう。
[ユダ族に対するヤコブの遺言] 創世記49:8~12ユダよ、兄弟たちはおまえをたたえる。おまえの手は敵の首の上にあり、おまえの父の子らはおまえを伏し拝む。ユダは獅子の子。わが子よ、おまえは獲物によって成長する。雄獅子のように、雌獅子のように、うずくまり、身を伏せる。だれがこれを起こせるだろうか。王権はユダを離れず、王笏はその足の間を離れない。ついには彼がシロに来て、諸国の民は彼に従う。彼は自分のろばをぶどうの木に、雌ろばの子を良いぶどうの木につなぐ。彼は自分の衣をぶどう酒で、衣服をぶどうの汁で洗う。目はぶどう酒よりも色濃く、歯は乳よりも白い。・・・ユダ族の今後をヤコブはイスラエルを統率する部族として称賛している。有能な王達、さらにはメシヤを輩出する者がでるとの預言に満ちている。
●13~17節ではオテニエルの活躍について記されています。キルヤテ・セフェルを攻め取った者にはカレブの娘アクサを差し出すと約束しました。つまりカレブの義理の息子という姻戚関係を結ぶことになるわけです。カレブは当時のユダヤ人にとってはレジェンドであり、その婿になるとはそのままこの上ない栄誉を得られることになります。オテニエルはその栄誉を射止めたのです。
●18・19節にはカレブの娘アクサについて記されています。アクサは嫁ぐにあたりネゲブの地に泉の使用権を所望します。ネゲブの地は現在のシナイ半島のこと。荒涼とした砂漠が大半を占めているところのように想像してしまいますが、実際は北部地域では泉が点在し井戸を掘れば必ず水を発見できるところでした。また5、6mの落葉樹地帯が広がりまた牧草地もありました。やがてこの地域は農耕、牧畜、工業、通商の地として発展していきました。21~32節には実に29+14+16+9+11+9+10+6+2+6か所。合計112の町とその周辺に相当数の村々が記載されているほどです。つまりアクサ夫妻にもカレブ同様の逞しい信仰心が継承されていたからこそ、荒涼とした砂漠地帯にいつしか発展していくであろう町々の様子が見えていたのでしょう。「困難を乗り越えた先にはより大きな祝福が待っていることの教訓とも言えるでしょう。」という冒険心に富んだ信仰が継承されていたのです。