ヨシュア記13章
ヨシュア記 13章
=本章の内容=
❶長寿のヨシュアとイスラエル❷占領すべき土地❸カナン分割の記録(1)ルベン・ガド・マナセ半部族
=ポイント聖句=1,ヨシュアは年を重ねて老人になっていた。主は彼に告げられた。「あなたは年を重ね、老人になった。しかし、占領すべき地は非常にたくさん残っている。
=黙想の記録=❶ヨシュアは110歳で亡くなります(24:19)モーセに命じられアマレク人と戦った時は兵を統率できるような年齢ですから30~40歳。40年間荒野で放浪生活を送ったわけですから、モーセからイスラエルを託され統率し始めたのは80歳と考えられます。カナン進撃に10年前後を費やしたとすると、13章での年齢は推定90~100歳と思われます。日本人の平均寿命は現在でこそ男性約82歳・女性約87歳です。発掘される人骨で日本人の平均寿命を遡って調べると、明治大正時代では44歳前後、江戸時代で38歳前後。さらに遡ってヨシュアの時代(紀元前13世紀)の日本は旧石器時代。その頃の平均寿命はなんと15歳前後なのだそうです。これを踏まえるとモーセやヨシュアの寿命はまさに超人的と言わざるを得ません。しかし、この二人だけではなくイスラエル人は同時代の全人類からするとかなり平均寿命が長かったのはなぜでしょうか。その要因は律法の存在です。律法には不浄な食物を避けることなど衛生管理の徹底が書かれていることです。また荒野の質素な生活は健康増進につながるのです。いわゆる現代病である成人病は皆無であったことでしょう。
❷ヨシュア記に記されているカナン征服は紀元前13~12世紀の頃のことです。世界史にはとても疎いのですが、高校の世界史授業レベルでまとめるとすれば・・・。この頃の中東をめぐる情勢は、気候変動などにも影響されギリシャ・メソポタミア・エジプトの各文明が終焉を迎えていました。その頃出自不明の集団「海の民」が勃興し、ギリシャ・メソポタミア・エジプト文明の息の根を止めて行きました。つまり、ヨシュアがカナンに進軍した際には巨大な帝国は存在していないことになります。この状況はイスラエルの為に行われた「主なる神様の世界史への介入」とは言えないでしょうか。13章では、これから「占領すべき残された土地」には以下の先住民族がいたことを紹介しています。
➌カナン分割の様子:以下は各部族の相続地について記されています。最初はヨルダン川東側についてです。
① 5~23節:ルベン族の相続地
② 24~28節:ガド族の相続地
③ 29~32節:マナセの半部族の相続地
💗ヨシュアに世界を展望できる能力などあるはずがありません。同様に、私達基督者も自分の人生を展望できるなどほぼ不能なのです。しかし、私たちが過去を振り返ってみると、そこには確実に父なる神様の介入の痕跡が残っていることが分かるものです。