ヤコブの手紙 4章
ヤコブの手紙 4章
=本章の内容=
❶戦う欲望❷内面を磨け
=ポイント聖句=あなたがたは、苦しみなさい。悲しみなさい。泣きなさい。あなたがたの笑いを悲しみに、喜びを憂いに変えなさい。(4:9)
=黙想の記録=●戦いはギリシャ語でパレマスで、これはスポーツの戦いではなく、人を殺しあう戦争や紛争、戦闘行為を意味します。争いはギリシャ語でマッヘで、戦闘、論争、喧嘩を意味します。パレマスもマッヘもその原因は人の中に潜んでいる「戦う欲望」ギリシャ語の直訳では「戦いを喜ぶ欲望」となります。つまり「人を攻撃し、人を傷つける事に満足したり面白がったりする」思いのことです。マウントを取りたがるのもこのカテゴリーに入ります。
●基督者にはこのマウントを取りたがる人物がとても多いのです。「マウントをとる」とは、相手よりも上のポジションをとり、優位性を自慢したり威圧的な態度をとったりすることです。自分が優れていることを、相手に認めさせたい人が、資産や社会的地位、学歴を自慢します。この自慢により、自分が優れていることを認めさせ、優位に立とうとするのです。優位に立ち、相手に認めさせようとする行動を「マウントを取る」と言います。
●ヤコブはこうした欲望が起こる原因をさらに快楽の為、この世を大事にする(世を愛する)の為と説明しています。つまり、こうした人物は元々この世の基準で行動している事に全く気がつかないのです。更に、自分に人気が集まる事に快感を覚えてばかりいて、相手に本当の関心を抱くことがありません。
●ヤコブは冒頭の聖句で、この世の幸せの基準とは真逆の心の状態である事を勧めています。つまり、「他者の苦しみ、悲しみ、憂いの意味やその内容」を知ろうとしたがらない、お気楽な自分のままで良いという基準で生きている人物がその傾向に陥りやすいと指摘しています。自らがこうした経験に向かい乗り越えて来なかったのなら、人の気持ちに寄り添うことはできません。