ヤコブの手紙 2章

ヤコブの手紙 2章
=本章の内容=

❶えこひいき❷兄弟愛による生き方➌アブラハムとラハプ

=ポイント聖句=

私の兄弟たち。あなたがたは私たちの栄光の主イエス・キリストを信じる信仰を持っているのですから、人をえこひいきしてはいけません。(2:1)

=黙想の記録=

●「依怙贔屓(えこひいき)は「えこ」と「ひいき」を結びつけた言葉で、えこは頼りにするという意味で、ひいきは一方の側だけ肩入れをするという意味があります。つまり「えこひいき」の動機は、自分への見返りを期待して、特定の人物を大事にするという意味です。これでは商売をしているのと同様です。自分に利益が帰って来ないなら、この関係に意味を感じなくなります。またこの様な希薄な関係性であるなら、些細な事が原因で関係が解消したり、また、不利益を被ったと思い込む被害者意識にさいなまされるのがオチです。
●「私がここまで尽くしてやってるのに、なんでこの人分からないんだろうね。馬鹿じゃない?」「この教会(あの兄弟姉妹)には愛がないよね。私なんかほっぽらかしなんだから。」「あの姉妹は目立つことばかりして。なんかとてもうざいんだよ。」という気持ちが沸沸としてくるのも、また「えこひいき症候群」と言えます。いつもえこひいき症候群は、「自己中心」という慢性疾患の持病が原因で起こります。
●基督者は「主にある兄弟姉妹の関係性」つまり「兄弟愛(姉妹愛)で結ばれています。しかしこの特性は、自己中心という持病を克服していなければ決して現れては来ません。この「兄弟愛」という健康的な基礎力があれば、信者未信者を問わず大方の対人関係は上手くいくはずです。
●ヤコブは自分自身が染まっていた「選民意識」がこの意識をもたらすことを本章で付け加えています。ここでは「信仰の父アブラハム」と「遊女ラハプ」という俗世間で言う所の「貴賎」の両極端を持ち出してきました。過去はどうあれ、「神様の従う実践」こそが基督者の価値を決めることで本章を締めくくっています。