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使徒の働き21章-2

使徒の働き21章-2(21:17~26)
=本章の内容=

❷エルサレム教会

=ポイント聖句=

そこで、パウロはその人たちを連れて行き、翌日、彼らとともに身を清めて宮に入った。そして、いつ、清めの期間が終わって、一人ひとりのためにささげ物をすることができるかを告げた。(21:26)

=黙想の記録=

《17~26節》第二世代になったエルサレム教会
(1)エルサレムに戻り、最初にあった人物はイエス様の兄弟ヤコブです。しかし、ヤコブはこの時点でエルサレム教会の牧会の第一線から退いているものと思われます。「長老たちがみな集まっていた。」の「長老たち」は世代交代した人々です。ペテロを始め使徒たちはそれぞれの宣教地に赴いているので、経緯を知った上での理解者はいなかったのでしょう。
(2)「兄弟よ。ご覧のとおり、ユダヤ人の中で信仰に入っている人が何万となくいますが、みな律法に熱心な人たちです。(21:20)」の「何万人となくいます」の表現から、イスラエル全土に渡り福音が隈なく伝えられ、大勢の信徒が救われていることが分かりますが、同時に、「使徒たち」抜きでも、ここまでエルサレム教会を発展させてきたという自負心が感じられます。
(3)この第二世代が誤解し危惧した点は、各地に離散したユダヤ人のキリスト者へパウロの対応のことでした。二度目のエルサレム教会での会合の際、「救い」に関して、異邦人キリスト者の場合、ユダヤ教の儀礼慣例の慣行を必要としないこと、特に「割礼」を強いないことを取り決め、さらに書簡にしたためたはずです。さらにこの処置は律法を順守するユダヤ人キリスト者には適応されていいないのです。前回の訪問では、テモテに割礼を施させました。これは、テモテが異邦人と同時にユダヤ人宣教にも関与していくと考えてのことでした。これらの事実をこの第二世代は伝え聞いていなかったのでしょうか。彼らが誤解していた「子どもに割礼を施すな、慣習にしたがって歩むな(21:21)」とパウロは指示していたことはありません。ユダヤ人宣教に関わる物には積極的に「ユダヤ人」となることを勧めていました。(コリント第一9:20)しかし、ローマ人への手紙で何度も主張している様に「救い」を受けることのおいては、ユダヤ人と異邦人の区別はありません。
(4)パウロの言動に疑義をもたらしたのは、エペソから来たユダヤ人たちです。ここエルサレムでもデマを言いふらし暗躍していたのです。真偽を確かめることなく真に受けてしまう信徒が数多くいたことも想像できます。そこで、長老たちの勧めに従い「一緒に身を清め、彼らが頭を剃る費用を出してあげてください。(21:24)」を実行に移します。「身を清める」とは「罪過のいけにえ」を捧げる行為です。「頭を剃る」とは、エルサレム教会にユダヤ教のしきたりにのっとり「ナジル人の請願」という特別な献身をしてきたものが四人いる。その請願の満了に際しては伸ばしてきた髪の毛を剃り落とす儀式を持ちます。「罪過のいけにえを捧げる」行為と「髪の毛を剃り落とす」この二つの行為を行うためには、費用がかかります。これを、エルサレム教会ではなく、パウロ一行が捻出することで、ユダヤ教のしきたりをも順守していることを主張できるはず。そして、誤解を払拭できると勧めてきたのです。パウロはここで律法論争で時間を割くことは無意味と感じていました。そこで彼らの進めに従いました。パウロは過去2度もエルサレム教会を訪問し随時報告を行ってきました。またエルサレム教会は異邦人教会から相当の献金を頂いているはずです。今回の訪問でも多額の献金を携えてきたことをエルサレム教会が知らないはずがありません。異邦人キリスト者とユダヤ人キリスト者との間になんとか線引きしたかったのがエペソから来たユダヤ人で、その背景にはアジア人教会で主導権を取れないばかりかラビとしての既得権を侵害された恨みがあったのです。

 

 

使徒の働き

Posted by kerneltender