最新情報

使徒の働き20章-2

使徒の働き20章-2(20:13~37)
=本章の内容=

❸トロアスからミレトスへ❹最後の薫陶

=ポイント聖句=

あなたがたは自分自身と群れの全体に気を配りなさい。神がご自分の血をもって買い取られた神の教会を牧させるために、聖霊はあなたがたを群れの監督にお立てになったのです。(20:28)

=黙想の記録=

《13~16節》トロアスからミレトスへ
(1)パウロは陸路でルカと他の7人と別行動になります。トロアスはルカの生まれ故郷です。トロアスからアソスまでパウロは陸路で約30km、海路では岬をぐるりと廻りこまなければならないので、距離的にはその倍以上。ですが双方ともその行程は一日。大所帯であったので、所持品すべてを船に乗せ、身軽になったパウロは、宣教地としての実地踏査をしながら、「一人旅」をしたと思われます。アソスはアレキサンダー大王が攻め落とせなかった都市です。アソスでパウロは8人と合流し、複雑に入り組んだ海路を通り、ミティレネ(レスポス島の港湾都市)に向かい、さらにサモス島に立ち寄り、ミレトスに到着します。ミレトスはエペソに次ぐ第二の港湾都市です。しかし、この航海の途中にエペソがあったのですが避けています。銀細工人デメテリオ事件がつい最近の出来事です。問題回避のための行動です。
《17~37節》長老たちへの最後の薫陶
(1)エペソからミレトス間の距離は陸路で約80km、徒歩で2・3日かかります。エペソ教会の長老たちを呼び寄せますが、その理由は最後の薫陶にありました。長老はギリシャ語で「πρεσβυτέρους (プレスブテラス)」で、「長老・サンヘドリンメンバー」と使われてきました。この頃から教会の運営は、この長老により指導されて来たことがわかります。ここに出てくる長老は特殊教育を受けた人々ではなく、聖霊により選び分かたれた人々です。
(2)最後の薫陶を以下の様にまとめてみます
①エペソでの奉仕での様子を冒頭に持ってきたことで、エペソ教会内で起きている「パウロ批判」を払拭する為です。エペソでの奉仕は、私利私欲からではないこと。人々を神に導き教会を立ち上げることに徹した「謙遜の限りを尽くし(20:19)」た行為は周知の事実。それらは激しい苦痛をも伴うものだったこと。
②エルサレムに戻った後の具体的計画は見えていない。だが以前にもまして大きな困難が待ち受けている。しかし「福音宣教」のためなら自分のいのちは少しも惜しいとは思わない(20:23)
③今回が今生の別れとなるだろう。
④長老は群れ(教会)の為に、聖霊が選ばれた人々である自覚をもつべきこと。
⑤教会の内外で、必ず危機に晒される時が来ること。
⑥主イエスご自身が『受けるよりも与えるほうが幸いである』と言われたみことばを実践すべきこと。
(3)このメッセージのあとの別れの光景は、読んでいて心が痛くなり、思わず涙してしまう箇所です。以降、エペソ教会の長老とパウロは物理的には離れ離れになるのです。最後の最後にパウロは「祈りにおいていつも共にいることができる」ことの模範を示すことで彼らを励ましたのです。『「もう二度と私の顔を見ることがないでしょう」と言った彼のことばに、特に心を痛めたのである。それから、彼らはパウロを船まで見送った。(20:37)』と書き留めたルカもまた、この場で嗚咽していたことも想像に難くないのです。

 

 

使徒の働き

Posted by kerneltender