最新情報

使徒の働き14章-2

使徒の働き14章-2(14:13~28)
=本章の内容=

パウロの第一次宣教活動❸リステラの人々の神概念とパウロの説教内容❹石打の刑❺アンティオキアへの帰還

=ポイント聖句=

「皆さん、どうしてこんなことをするのですか。私たちもあなたがたと同じ人間です。そして、あなたがたがこのような空しいことから離れて、天と地と海、またそれらの中のすべてのものを造られた生ける神に立ち返るように、福音を宣べ伝えているのです。(14:15)

=黙想の記録=

《13~18節》リステラの人々の神概念とパウロの説教内容
(1)恐らくゼウス神殿の祭司は事件の詳細を知らずに担ぎ出されたのではないでしょうか。リステラの人々にとって、「神」とは「ギリシャ神話に出てくる災いをもたらす神々」のことで、超自然的能力を人間の幸福の為に使う姿を見たことが一度もなかったのです。ですからここに出てくる「いけにえ」は「怒る神々をなだめるための供え物」で、日本人が普段から持ち歩くお守り同様、「災い回避」の道具に過ぎなかったのです。「創造主としての神」「人間の保護者としての神」という概念は持ち合わせていませんでした。
(2)パウロ一行がとった「衣を裂く」行為は、ユダヤ人の間では,絶望・憤り・悲嘆などを表すものです。ユダヤ人にとって自分を神と同列にみなしたりみなされたりすることは大罪です。そこにはユダヤ人も混じっていましたから当然な行為です。しかし、さらに突っ込んで言うのならば、真の神を知ることのない民族が放置されてきたことへの悲嘆の思いが含まれているのです。
(3)リステラでの伝道には旧約聖書の引用が一つも出てきません。逆に言えば、旧約聖書の存在さへ知らない人々が多くいたことが想像できます。パウロの説教には「①創造主の存在②生きている神との関係回復③「罪」とは「神を無視する人生そのもの」④保護者としての神の存在」までで、キリストによる救いにまで至っていません。
《19~20節》石打の刑
(1)石打の刑とは、「下半身を生き埋めにして、身動きが取れない状態の罪人に対し、大勢の者が投石を行い死に至らしめる処刑法。処刑の中でも最も苦痛が多いとされる。罪人が即死しないよう、握り拳程度の大きさの石打ち用の特別な石を山盛りに準備しておく。(Wikipedia)」です。ですから偶発的なものではなく、用意周到に準備されていたことが分かります。宗教裁判さへ省略されていたのです。さらに「石打の刑」はユダヤ教の量刑の一つですから、この事件の首謀者はユダヤ人であり、また律法学者たちの様な、リーダー格の人物でなければ主導できないはずです。
(2) イコニオン、アンティオキアから良からぬ輩が結集し、有無を言わせずパウロを捕縛そして公式裁判を経ずに、罪状を確定できないまま、私情でパウロを殺害しにかかります。「しかし、弟子たちがパウロを囲んでいると、彼は立ち上がって町に入って行った。」に使われている「立ち上がる」もまたギリシャ語の「anistemi(アニステミ)」です。相当の重傷のはずですが奇跡的にパウロは一命をとりとめていました。無論神様の守りの御手があったわけですが、この「立ち上がる」ということばから、パウロの宣教活動への強い信念を感じ取ることもできるのです。
《21~28節》アンティオキアへの帰還
石打にあってもなお福音を伝えようとする信念の人パウロを見て、彼らの信仰は本物だとさらに確信を深めて行くのです。しかし、信仰から逃げ出そうとした人々も居たことは「私たちは、神の国に入るために、多くの苦しみを経なければならない」と語った(14:22)。のパウロの言葉から察することができます。教会の基礎を固めたのち、パウロ一行は支援教会のアンティオキアに無事帰還します。

 

 

使徒の働き

Posted by kerneltender