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使徒の働き8-1章

使徒の働き8章-18:1~25
=本章の内容=

➊サマリヤへの避難と伝道(ピリポと魔術師シモンの対比)

=ポイント聖句=

 

=黙想の記録=

《1~25節》サマリヤへの避難と伝道(ピリポと魔術師シモンの対比)
(1)迫害はステファノだけにとどまりません。すべての信徒にまで及びます。その為、エルサレムからサマリヤへ避難せざるをえませんでした。サマリヤはエルサレムにいる宗教指導者から見れば異教の地。エルサレムからの所払いができれば、よもや迫害は及ばないと踏んだのです。そもそもこのサマリヤはイエス様が伝道され、すでに信徒がいたところです(ヨハネ4:7~42)。しかし、この時点から世界宣教の具体策が遂行されていたのです。
(2)ピリポは7人の奉仕者の一人でしたが、同時に伝道の賜物を備えている人物でもありました。伝道の賜物とは、第一に「霊的な渇きを持つ人を見抜くことができる」ということです。弁舌技術の巧みさのことを言っていません。第二に「キリスト者と分かるしるし(証)が伴う」ことです。つまり、周囲の人々も察知する「聖霊の賜物」を結実しているかどうかです。癒しなどの超能力を備えているということではありません。神様が授ける「見栄え」は人の物とは異なります(コリント第一12:24)。第三に「神様の導きを受けている」ことです。綿密な計画を立て大イベントを開催して人を集めることではありません。
(3)この部分は正に「伝道の賜物」とは何かの実例を示したものと言えます。ピリポは7人の奉仕者の基準(6:3)をクリアした人です。「その町には、大きな喜びがあった(8:8)。」とあるので、ピリポが行う奇跡や説教の内容が、「怪しいまじない師や祈祷師」の類の様に「『苦い悪意と、不義の束縛(8:23)』、つまり事後、他者から金品を巻き上げ、他者を従属させる行為に引きずり込まれるという不安感」を募らせるものではなく、「神様が背景にいらっしゃるという安心感」が確信できるものだったのです。「魔術師シモンはピリポとは真逆のことを伝え歩く男であった」ことをルカはクローズアップしています。
(4)注意したいの「癒し」を強調するあまり現代医学をも否定あるいは忌避する方がいますが、果たして御心でしょうか。魔術師シモンは、イエス様の「贖いの業に関する知識」より、むしろ「力」に関心があり、その能力を欲した」だけだったのです。彼は「御霊」を金で買えるという発想だったのです。同様に、人々の関心が「肉体的癒し」に注がれ、「罪の贖い」に関心を持たせることがなければ、それは魔術師シモンがしている行為と大差がないのです。
(5)「聖霊はまだ、彼らのうちのだれにも下っていなかったからであった。そこで二人が彼らの上に手を置くと、彼らは聖霊を受けた。(8:16・17)」とありますが、現代、聖霊の内住は福音を信じ受け入れた時同時に起こることですが、当時は、その二つの出来事にはタイムラグがありました。これは異教文化が混在するサマリヤの特異な風土が要因しています。魔術師シモンの様に聖霊を「ご利益を伴った単なる力」と捉える人々がいたためです。イエス様の宣教活動にも存在していましたが、「癒しなどの奇跡」の希求のみで教会に加わろうとする人々が存在していたのです。教会はこれを見抜かなくてはならなかったのです。その為には、使徒たちによるはっきりとした信仰確認の必要性があったのです。

 

 

使徒の働き

Posted by kerneltender