王女ミカルの悲劇(絶望的な結婚生活)

なるほどTheBible2024/03/14
=王女ミカルの悲劇(絶望的な結婚生活)=
▶復縁はサウル家の完全根絶やしの為??◀
Q:ミカルは悪女なのですか?
[参考聖書箇所] サムエル記第二 6章16節
16,主の箱がダビデの町に入ろうとしていたとき、サウルの娘ミカルは窓から見下ろしていた。彼女はダビデ王が主の前で跳ねたり踊ったりしているのを見て、心の中で彼を蔑んだ。
A:結論から言えばNOです。むしろ身勝手なダビデの被害者と言えるのです。
「15,・・・サウルの娘ミカルは窓から見下ろしていた」とあるように確かにこの時点のミカルはダビデの心に寄り添っていませんでした。ダビデは政策上サウル家との和睦工作の為ミカルとの復縁した(Ⅱサムエル記3:14-16)のです。この時のダビデにミカルへの愛情は片鱗もありません。一本気で裏がない「清廉潔白の青年ダビデ」はもうそこには居ないのです。またミカルの方も前の主人と引き裂かれたことで、安定していたであろう生活をかき乱されたわけですから快く思っているはずがありません。またこの時点で自分を含めて7人の正室がおりそれぞれに王子(子供)を授かっているのです。ダビデは女性を政略の一環として利用しているだけなのです。ミカルにとってここエルサレムでの生活は絶望的で自宅牢に閉じ込められているのも同然なのです。
「23,サウルの娘ミカルには、死ぬまで子がなかった。」とありますが、穿った見方をするとこれこそがダビデの復縁の理由だったとは言えないでしょうか。つまり、「サウル王朝を完全に根絶やしにする為」だけにミカルと復縁したと思われるのです。
多くの方々がミカルをまるで悪者扱いするのですが、ダビデの心意を知ったのならミカルでなくてもダビデに幻滅するのは当然なのです。それが「20,・・・イスラエルの王は、今日、本当に威厳がございましたね。ごろつきが恥ずかしげもなく裸になるように、今日、あなたは自分の家来の女奴隷の目の前で裸になられて。」の言葉になってしまったのです。
仮にミカルがこのダビデの今の様子にも幻滅しないでダビデを理解しダビデの気持ちに寄り添って一緒に踊りの輪に加わったのなら、ダビデは王女ミカルの心意気に再び惚れ直すことがあったことでしょう。残念ながら、彼女が最後まで己を捨てきることができなかった(王女であることに拘り続けた)のは主なる神様に対する信頼の心がなかったからと結論付けることができます。主なる神様への信仰が出会いの時からあったのなら、全てを忍耐して受け入れることができたかもしれません。また蛇足ながら、ミカルには民を愛する思いに欠けていました、国母としての資質に欠けていたのです。これも主なる神様に忠実に仕えようとの信仰心の欠如と言えるのです。