主なる神様の奇策
なるほどTheBible2024/03/12
=主なる神様の奇策=
Q:バルサム樹の林にはどんな意味があるのですか
[参考聖書箇所] サムエル記第二 5章23-24節
23-24,ダビデが主に伺うと、主は言われた。「上って行くな。彼らのうしろに回り込み、バルサム樹の茂みの前から彼らに向かえ。バルサム樹の茂みの上で行進の音が聞こえたら、そのとき、あなたは攻め上れ。そのとき主はすでに、ペリシテ人の陣営を討つために、あなたより先に出ているからだ。
A:結論から言えば主なる神様の奇策です。バルサム樹の特徴を逆手にとった奇襲作戦だったのです。ダビデが全イスラエルの王に擁立された直後にペリシテ軍の攻撃を受けるところです。5章17-25節を読んで戦いの経緯を把握してください。ダビデが主に伺うと、主は言われた。「上って行くな。彼らのうしろに回り込み、バルサム樹の茂みの前から彼らに向かえ。ペリシテ軍の最初の敗北では犠牲者が少なかった様です。ペリシテ軍はそれから少し離れたところに退却し本国からの援軍を待ち再び同じ場所に進軍したのです。最初の戦いはベン・ヒンノムの尾根から駆け下りる急襲でしたが、二度目は正反対の南側に大きく迂回しペリシテ軍が進軍して行く方向の真横から割って入るように攻め込むというものでした。「23-24,バルサム樹の林から出て行きなさい。バルサム樹の林の上から行進の足音が聞こえたら、出陣しなさい。それは、わたしが道を備え、必ず敵を滅ぼすという合図である。」とあります。イスラエル軍はバルサム樹の林(背丈は10m以上にもなり群生しているので身を隠すには好都合)に潜んで敵軍を待ちます。バルサム樹は芳香性樹ですから葉がちぎれたりすると強烈な香りがあたりに漂うことになり、多くのイスラエル兵がそこに潜んでいれば風下に居る敵軍には存在がすぐにばれてしまうのです。ですからペリシテ軍はよもやイスラエル軍がバルサム樹の林にに潜んでいるなどとは思いもよらなかったのです。これは想像の域を出ませんが、主なる神様は西方から東方へ進軍するペリシテ軍に気付かれないように、北風(北から南)を起しバルサム樹の香りを吹き消し同時に行進しているペリシテ軍の南側に居るイスラエル軍の気配を消し去って下さったのでしょう。また「バルサム樹の林の上から行進の足音が聞こえた」とあるのは、北からの強風でバルサム樹が音を立てて揺れ動きペリシテ人はその物音を「大群の来襲」と勘違い大混乱を起こしたと思えるのです。この北風こそが神様の自然への介入に他ならないのです。