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歴史に翻弄される王女ミカル

2024年7月4日

なるほどTheBible2024/02/28
=歴史に翻弄される王女ミカル=
Qミカルを取り戻すのはダビデが愛していた証拠?それはNOです。
[参考聖書箇所] サムエル記第二 3章14-16節
ダビデはサウルの子イシュ・ボシェテに使者を遣わして言った。「私がペリシテ人の陽の皮百をもってめとった、私の妻ミカルを返していただきたい。」イシュ・ボシェテは人を遣わして、彼女をその夫、ライシュの子パルティエルから取り返した。彼女の夫は泣きながら彼女の後を追ってバフリムまで来たが、アブネルが「行け。帰れ」と言ったので、彼は帰った。
A:結論から言えばNOです。ダビデがミカルとの婚姻関係を復活させようとしたのはミカルへの愛情が残っていたわけでは無く―それが証拠にはダビデとミカルの間には子供がいません。―サウル王の娘と婚姻関係を取り戻すことはサウル王の義理の息子となることです。つまりサウル家との姻戚関係による動かしがたい盟約によって11部族を取り組む作戦ダビデの政治戦略です。さらに言うならダビデはアブネルの危うい立場―重鎮たちに信頼されていなかったーに気付いていましたから、ダビデはアブネルではなくイシュ・ボシェテ本人にこのミカル返還の提案をします。どうせアブネルの差し金と知ってはいたもののダビデの提案に逆らうことはできません。荒野に彷徨っていた際にもしダビデがミカルを呼んでいたらミカルは何もかも捨ててダビデの元に飛んでいけたでしょうか。洞穴住まいに我慢できたでしょうか。またすでに6人の妻とその子供たちがいるのです。そんな複雑な家庭にミカルが入ることで嫉妬や憎悪の嵐が巻き起こらないでしょうか。ミカルはダビデにとって第一婦人です。しかしダビデの寵愛を受ける状況ではないのは分かりきっています。「16,彼女の夫は泣きながら彼女の後を追ってバフリムまで来たが、アブネルが「行け。帰れ」と言ったので、彼は帰った。」とありますが、パルティエルの元で平穏に暮らしていたミカルの様子が垣間見えませんか。ダビデの自己都合でまた引き戻すのは如何なものでしょう。ダビデはミカルを愛していたのか甚だ疑わしいのです。