ダビデの人口調査

なるほどTheBible2022/10/18
=ダビデの人口調査=
【参照聖句】さて、再び主の怒りが、イスラエルに向かって燃え上がった。主は「さあ、イスラエルとユダの人口を数えよ。」と言って、ダビデを動かして彼らに向かわせた。・・・サムエル記第二24章1節 (新改訳2017)
ここに、サタンがイスラエルに逆らって立ち、ダビデを誘い込んで、イスラエルの人口を数えさせた。(Ⅰ歴代誌21:1)
人口調査がなぜ神様の逆鱗に触れたのでしょうか。この個所を読んで不思議に思ったことはありませんでしたか。また「ダビデを動かして彼らに向かわせた」とあるように、ここではあたかも神様がそそのかしたような書き方をしていますね。が、これは明らかにダビデの意思です。
そもそも「人口調査」がなぜ主の怒りをかうのでしょうか?「人口調査」の目的はなんでしょう。それは国勢調査なのです。次の三点の状況把握なのです。
第一に人民からどのくらいの税を吸い上げることができるか。
第二は人民からどのくらい徴兵できるか。
第三に各部族の勢力はどうなっているか。
絶対王政以前の古代イスラエルでは納税と兵役は義務ではありましたが、あくまでも「主なる神様への積極的献身」の表れでした。ダビデはこれを他国同様、「国王への忠誠心の強制」に置き換えようとしたのです。こうした行為は専制君主制の体制維持には不可欠です。しかし、これは「悪魔がこの世を支配する目的と手段」そのものです。つまり、「主なる神様がいつくしむ民イスラエル」を保護するための代理者ダビデではなく、ダビデ自身が民の支配者として君臨するためだったのです。この誘惑は荒野でのイエス様に対する「最後の誘惑(マタイ4:8)」と同じものです。彼の前に叩頭(ぬかず)かせ、意のままに利用する、謂わば「国民の総奴隷化」であり「ダビデの神格化」に他ならないのです。ダビデは悪魔に完敗したのです。「国民の総奴隷化・ダビデの神格化」に必要なのは「民のことを神の様に知り尽くす多くの情報」です。民は「情報を知り尽くす王」に恐怖を感じる様になってくるのです。
忠臣ヨアブの進言(歴代誌第一21:3)にあるようにこれは主なる神様への反逆行為という罪になるのです。ヨアブの進言も聞き入れない行為は、後にヨアブとダビデの絆を完全に断ち切ってしまいました。そればかりかその愛する友というべき忠臣を失う結果となるのです。列王記に記載されたイスラエルの結末を思い返してください。イスラエルは他国に根絶やしにされるという結果をもたらしたのは、イスラエルが他国同様「専制君主制」を選び取ったからにほかならないのです。
★現代のキリストの教会にとっての「専制君主制」とは?・・・