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側室リツパのとった態度

2024年7月6日

なるほどTheBible2024/04/28
=側室リツパのとった態度=
Q:サウルの側室リツパがなぜ遺体の傍に6か月もいたのですか?
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[参考聖書箇所] Ⅱサムエル記21章10節
アヤの娘リツパは、粗布を手に取って、それを岩の上に敷いて座り、刈り入れの始まりから雨が天から彼らの上に降るときまで、昼には空の鳥が、夜には野の獣が死体に近寄らないようにした。
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A:結論から言えば「息子たちの汚名を晴らすためです」
◆リツパの息子たちは恐らく絞首刑にされそのまま城壁に吊るされ「犯罪者としての取り扱いをされ晒し者となっていた」と推測されます。また犯罪者の遺骸は埋葬する事も許されず猛獣や猛禽類に死体の処理をさせるのが慣わしでした。ところで人体は死後の様子ですが。蠅が死体に産卵してしまうのなら、死後数時間で孵化し幼虫による食害が始まるそうです。そうでなくても体内にある溶解酵素が放出され「自己消化」が始まり分解されていきます。また体内に存在する細菌類が腐敗を進めていきます。外面的に見ると死後3日以降に体内にガスが溜まり始め10日目にはガスが放出されその後本格的な腐乱が始まり正に体全体が溶解していきます。外見的には見るも無残な肉塊となりもはや人間の体をなしません。腐乱臭は空気中に漂う臭気の数百万倍と非常に濃いものとなります。地上に放置されていた場合夏では7-10日で白骨化が始まり数か月で全身が白骨化していきます。本来なら土葬され目に見えないところで白骨化していくのです。ギブオン人の復讐であるため、晒された遺骸を引き下ろすことさへ許されないのです。ですからリツパは晒し者にされた息子たちの変わりゆく姿をまじかで見ていなければならなかったわけです。リツパが息子たちの遺骸の前にいたの約6か月。猛獣や猛禽類から息子たちの躯を守るため、昼はカンカン照りで日影が無い状況で夜は絶えず猛獣たち吠える声が聞こえてきたことでしょう。しかも雨ざらしの岩場に座していたというのです。並大抵の神経ではこんなこと到底できないはずです。ところでリツパはなぜこのような尋常ならざる行為に及んだのでしょう。「親の愛」そんな生易しい言葉では済まされない大きな決意がそこにあったとは思えませんか。端的に言えば「息子たちの無罪を身を挺して主張するため」であったのです。「猛獣や猛禽類に遺骸を啄ませるのを放置したままにする」ということは息子たちにかけられたいわれのない嫌疑を見て見ぬふりをする。つまり息子たちは犯罪者と認めたことになるのです。リツパには正室ではなく側室としての負い目もあったのです。さらにアブネルとの密通事件に関してイシュ・ボシェテからもいわれのない嫌疑をかけられたのです。彼女のプライドはずたずたにされていたことでしょう。折角与えらていた息子は次期国王の一存でいきなりギブオン人に引き渡されるのです。イスラエルの正義はいったいどこにあるというのでしょうか。主なる神様は公正なお方ではないのでしょうか。彼女のこの行為は彼女なりの抗議だったのです。リツパの行為の報告はそこに善意が働いたのか悪意が働いたのかは定かではありません。しかしダビデにギブオンに仮埋葬されているサウルとヨナタンの遺骨を丁重に埋葬する行動に移させる動機付けになったと思われるのです。また「13,人々は、さらし者にされた者たちの骨を集めた。」とは、絞首刑に処せられたサウルの七人の子孫の骨です。ダビデはサウルとヨナタン以外にも白骨化した七人の骨を集めサウルの父キシュの墓に埋葬したものと思われます。「14,その時、神は祈りを聞き、ききんを終わらせたのです。」で言う「その時」とはサウル家の骨をことごとく埋葬した直後と言うことを言っているのであれば、ダビデがサウルの子孫七人を罪人としてではなく通常の埋葬をしたことを指すものと思われます。ならば、ダビデが「七人のサウルの子孫を政略上の人身御供として差し出したことは主の前に大きな過ちであったと認めた」時のこととは言えないでしょうか。

歴史書リッパ

Posted by kerneltender