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サムエル記第二16章-1

サムエル記第二16章-1(1-4節)
=本章の内容=

❶ツィバの悪だくみ

=ポイント聖句=

3,王は言った。「あなたの主人の息子はどこにいるのか。」ツィバは王に言った。「今、エルサレムにとどまっております。あの方は、『今日、イスラエルの家は、父の王国を私に返してくれる』と言っておりました。

=黙想の記録=

ゼカリヤ13:7はイエス様の弟子たちが十字架刑を前に胡散霧消してしまうことを預言した個所です。神の任命された指導者が邪悪な者達によって排除されるなら必ず混乱が起きてくるのです。本章は正にダビデがイエス様の追体験をしているものとも言える個所なのです。

❶1-4節:ツィバの悪だくみ・・・オリーブ山を下ったところでメフィボシェテ(サウルの最後の孫)のしもべツィバに出会います。このツィバは大変狡猾な人間でサウル家の財産を横領し私腹を肥やしていました。ダビデの要請があるまでメフィボシェテの存在を隠し通してきました。ところがダビデがサウル関係者を探していると知り横領が知られる前にダビデに報告に出かけます。ところがダビデからメフィボシェテに移譲されたサウルの財産管理を任されるのです。これでは以前の様に財産を自由に使うことができなくなってしまうのです。ダビデがエルサレムから都落ちするのを見届け策略をめぐらします。ツィバはすぐに飲食できる食材をダビデに届け慰労を図ろうとします。また疲労困憊している身体の為に移動手段としてのロバを提供するのです。しかしたった二頭です。精神的に追い詰められた状態のダビデです。ダビデにとってツィバのこの少量の贈り物であっても高貴で英雄的なものに見えたはずです。このほんのわずかな心遣いでダビデはすっかりツィバに心を許してしまいます。そこで持ち出したのが「メフィボシェテの裏切り」の作り話でした。「メフィボシェテ」の安否を聞いたつもりが「3,・・・今、エルサレムにとどまっております。あの方は、『今日、イスラエルの家は、父の王国を私に返してくれる』と言っておりました。」とツィバは偽証するのです。つまり「ダビデがエルサレムを放棄するということはサウル王家が復権する証だ」とメフィボシェテは息巻いていると言うのです。ところが今のダビデには真偽を確かめる余裕などありません。ダビデは話の確証を得ようともせずツィバの偽証に屈し、終には「①メフィボシェテを王子として保護する誓いを反故にさせ②メフィボシェテの嗣業をツィバに全部与える」という約束までさせてしまうのです(Ⅱサム16:4)。ツィバは己の家の繁栄の為ならどんな卑怯な手も使い無慈悲になれる男だったのです。このツィバのダビデへの贈り物を届ける様子は、ちょうどアビガイルがダビデの夫ナバルに対する怒りを鎮めるためにダビデの部下たちに贈り物を送った時の様子に酷似しています。ここから学べることは「悪魔は破壊と言う目的達成の為なら聖徒の行動さへも模倣できる」ということです。また人間は自分に媚びへつらう人を容易に受け入れてしまう傾向があるということです。多くの場合へつらい言葉の中に危険が含まれていることを知るべきです。