サムエル記第二15章-4

サムエル記第二15章-4(23-29節)
=本章の内容=
❹祭司たちの動向
=ポイント聖句=25-26,王はツァドクに言った。「神の箱を都に戻しなさい。もし私が主の恵みをいただくことができれば、主は、私を連れ戻し、神の箱とその住まいを見させてくださるだろう。もし主が『あなたはわたしの心にかなわない』と言われるなら、どうか、主が良いと思われることをこの私にしてくださるように。」
=黙想の記録=❹23-29節:祭司たちの動向・・・ほぼ全員の祭司はアブシャロムの邪悪な企てを見抜いていました。またダビデ王の強い信仰心を知っていたので苦難の王と共に行動する決意をしました。そこで彼らは幕屋に仕えるレビ人と共に神の箱やその他の神具を携えてエルサレムを脱出してきました。この行為はアブシャロム側にすれば反逆行為で捕縛されれば処刑される可能性もあるのです。彼らの勇気ある行動はどれだけダビデを励ましたことでしょう。ところが彼らの崇高な意思表示に対処ダビデは次の決断を下すのです。『[1]神の箱と神具をエルサレムに戻す。[2]祭司とレビ人にエルサレムへ戻る様に命じる。』この命令の意図するところを考えてみましょう。第一はこれからの放浪生活で両方とも危険に晒されるのを防ぐためです。両方とも王位継承者であることを公式宣言するために必要なアイテムです。全イスラエルを統治しようとするアブシャロムが蔑ろにするはずが無いとダビデは踏んだのです。第二は「王座を失うことが神の御心である」ことも想定し敢えて両者をエルサレムに残すことが正しい行いであると確信していたからです。両者を奪い取ってエルサレムを出ていくのは主なる神様への傲慢な行動となるからです。判断を自ら下さず主なる神様に委ねたことになります。そして第三はエルサレムに留まることによって敵の動きを監視することができるからです。陰謀の真相・陰謀者の数・陰謀者の名前についての情報、エルサレムで同振舞うかを逐次報告する密偵の役を命じるのです。ダビデと行動を共にしようとする強い意志のある人々です。そのくらいは朝飯前でしょう。「27,あなたは先見者(預言者)ではないか。」とは文字通りの預言者ではなく、神の言葉を伝えることのできる者という意味で、場合によれば正々堂々とアブシャロムに諫言する人物であると高い評価をしているものです。
=注目地名=地名①キデロンの谷(23):英語the brook Kidron;ヘブル語ナヘール・ケドローン[小川・暗闇]・・・エルサレムの東側で町とオリーブ山の間にある。雪解けで水が濁った様子からその名前が付けられた。夏にはヨシャパテの谷の乾いた水路にすぎない。
=注目人物=人物①ツァドク(24):英語Zadok;ヘブル語サドック[正義]・・・後にソロモンに油を注いだ人物(Ⅰ列王記1:38)
人物②エブヤタル(24):英語Abiathar;ヘブル語エビヤサール[私の父は偉大]・・・ダビデの四男アドニヤが謀反を起した時彼に組した祭司
人物③アヒマアツ(27):英語Ahimaaz;ヘブル語アヒマアス[私の兄は怒っている]・・・祭司ツァドクの子で,アザルヤ(Ⅱ歴代誌26:17)の父
人物④ヨナタン(27):英語Jonathan;ヘブル語ヨホナサーン[エホバは与えた]・・・エビヤタルの息子。ダビデの四男アドニヤが謀反を起した時彼に組した。