ダビデの責任転嫁
なるほどTheBible2024/03/26
=ダビデの責任転嫁=
Q:ウリヤを帰宅させる真意はどこにあるのですか?
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[参考聖書箇所] Ⅱサムエル記11章8節
ダビデはウリヤに言った。「家に帰って、足を洗いなさい。」ウリヤが王宮から出て行くと、王からの贈り物が彼の後に続いた。
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A:結論から言えば「バテ・シェバへの責任転嫁です。国母となる野心を抱くバテ・シェバにウリヤを冷たくあしらわせるように仕向けたダビデの愚かな画策であり責任転嫁なのです。
●バテ・シェバとの関係を持ったダビデのその後の悪態は目に余るものがあります。ミカルとの再婚の件は元妻との復縁という大義名分がありますがそれにしても無理やり夫(パルティエル)と離婚さえるのはあまりにも無慈悲な行為です。ですがこの無慈悲な行為ができるのですからバテ・シェバの夫ウリヤにが王の権威を使って離縁を命じれば良かったのです。それができないのは、第一にパルティエルの件は国外の出来事であり民衆に公にされることはありません。第二に第三者であるアブネルが離縁を命じたのでダビデが直接手を下したのではないのです。一方ウリヤに関しては第一に国内のできごとであり、勇猛果敢な兵士の妻に手を出したという卑劣な行為が民衆に知れ渡り、当然民衆からも蔑まれ国王としての威厳は地に落ちることでしょう。第二にダビデ王自らが離縁を命じるのです。律法を軽視している国王に重臣たちもまた兵士たちもさらに民全体が国王の品位を疑うようになるのです。バテ・シェバの妊娠の報告はダビデにとっての誤算ではなくウリヤ殺害の号砲のように聞こえたと思われるのです。「8,家に帰って、足を洗いなさい。・・・王からの贈り物が彼の後に続いた」とありますが、足を洗うとは「任を離れてくつろぎなさい」という意味があり、ここでの「贈り物」は「テーブルの上に乗せられたブドウ酒を含めた豪華な料理」を意味しています。つまり、家に帰って職務を忘れ妻バテ・シェバとの再会を喜べという意味が込められていますが、「早く家に帰って妻を喜ばせてやれ。抱いてやれ。」という裏の意味も込められているのです。
●6-14節のウリヤへの働きかけは、以下の二つのダビデの思惑があるのですが、ダビデは[2]を実行させたかったのでしょう。つまりバテ・シェバに責任転嫁することです。「責任転嫁」は悪魔の常套手段だからです。
[1]妊娠初期の段階のでの性行為によって流産させる・・・「妊娠をなし」にするという意味で言うならバテ・シェバとの関係は単なる遊興の類だったということになり、バテ・シェバはダビデの物になりません。
[2]子供を大事にするバテ・シェバがウリヤに離縁を迫らせるきっかけつくり・・・戦場から帰国に要する日数は多くても1週間。妊娠してから5週程度は経過していますからお腹のふくらみは目立ちませんが流産のリスクが高い時期です。バテ・シェバが国母への野心を持っているのなら必ずウリヤとの性交渉を拒否するはずです。戦場から帰宅した夫を慰労するのが妻の役割ならこの段階で性交渉を拒否されればウリヤはどれほど傷つくでしょう。妻に冷たくあしらわれればウリヤの方から離縁を申し立てるかもしれません。ダビデの狙いはここにあったかもしれません。