王母となりたかった娘=バテ・シェバの野心=
なるほどTheBible2024/03/24
=王母となりたかった娘=
▶バテ・シェバの野心
Q:バテ・シェバは悲劇のヒロインなのですか?
============================================
[参考聖書箇所] Ⅱサムエル記11章4-5節
ダビデは使いの者を送って、その女を召し入れた。彼女が彼のところに来たので、彼は彼女と寝た──彼女は月のものの汚れから身を聖別していた──それから彼女は自分の家に帰った。女は身ごもった。それで彼女はダビデに人を送って告げた。「私は子を宿しました。」
4, '彼女は月経後の汚れのきよめをしていたところでした(リビングバイブル)’
ヘブル語:フー・カデッシュ・トーマー[彼女・聖別した・不潔]・・・レビ記15:19-28によれば女性が月経の期間7日間さらに終了後7日間は人との接触を禁じられている。とするとダビデはこの月経後の7日以内にバテ・シェバと性交渉をもったことになり、ダビデは人妻との姦淫の他に、清めの期間を無視する律法に抵触することになる。
============================================
A:結論から言えばNOです。常にステップアップを図ろうとする野心に満ちた女性がバテ・シェバだったのです。
四男アドニヤの造反事件からほどなくしてソロモンが王位を継承することになります。王位継承は他国同様血生臭いどろどろの骨肉争いとなっていました。列王記第一1・2章にソロモンの王位継承までのドタバタ劇が記録されています。この即位までの経緯に関してどうしても気になるのがソロモンの母バテシェバの存在です。この事件に関して、伝統的な解釈ではなく私流の黙想をさせていただきます。するとこんなストーリーになるのです。歴代誌上3:5によるとエリアム[アンミエル](ヒッタイト人)はバテ・シェバの父となっています。とするとマキルはバテ・シェバの兄弟となります。ヨナタンの息子メフィボシェテはこのマキルの保護下にあったわけですから、ダビデはバテ・シェバとエルサレムではなくそれ以前に面識があったと思われるのです。想像の域を出ませんが、穿った見方をすればばダビデとバテ・シェバは既にバテ・シェバが故郷に居た頃からお互いに関心があったのかもしれないのです。バテ・シェバがウリヤとの間に子供を儲けることがなかったことから憶測するとバテ・シェバとウリヤにとっても愛情での結びつきはかなり希薄ではなかったのかと思えるのです。故郷では親を含む周囲の者達に強引にウリヤとの婚姻を決められてしまったのではないでしょうか。想像ですがバテ・シェバは上昇志向の強い人物だった思えるのです。故郷にいた頃からまたウリヤの妻となってからも「国王の妻の座」はまた「国母」となることに憧憬を抱いていたかもしれません。ユダヤ教の精神に従って貞節を守ろうとする婦人であり、夫ウリヤを心から愛していた人物であるなら、いくら王の命とはいえすごすごと王宮に上ることがあるでしょうか。丁重に断るのが筋です。さらに想像を膨らますならダビデに見える部屋の外で沐浴するのは夫が不在であることを知らせ、また生理直後なので妊娠期ではないというサインだったのではないでしょうか。バテ・シェバのことをダビデの一方的破壊的な恋心によって連れて来られた「悲劇のヒロイン」とするのは如何なものでしょうか。私には常にステップアップを図ろうとする野心に満ちた女性にしか見えきません。凡そ彼女から信仰の香がしないのです。Ⅰ列王記1章の我が子ソロモンが国王に就任するにあたりいろいろと画策している姿から初めからこれが狙いであったのではと思えてくるのです。