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サムエル記第二10章-2

サムエル記第二10章-2(14-19節)
=本章の内容=

➌ハダドエゼルの軍との対決

=ポイント聖句=

19,ハダドエゼルに仕えていた王たちはみな、彼らがイスラエルに打ち負かされたのを見て、イスラエルと和を講じ、イスラエルに仕えるようになった。アラム人は恐れて、再びアンモン人を助けようとはしなかった。

[戦いの経緯②] [9]ヨアブがエルサレムに戻る

[10]ハダドエゼル軍のショバクがアラム人を再集結

[11]ダビデがイスラエル全軍を率いてヘラムに進軍

[12]アラム軍敗退。戦車兵七百と騎兵四万を殺す。ショバクを討つ

[13]アラム人の諸国が属国となる

=黙想の記録=

❸14-19節:ハダドエゼルの軍との対決…ヨアブ率いるイスラエル軍はアラム軍を撃退するとすぐにエルサレムに戻ってしまいます。とても奇妙に思えるかもしれません。これも推測ですが、アンモン軍の本隊2万人は難攻不落と言われていたラバの城壁の中です。ラバ攻略には長期間の包囲戦になることは確実です。一旦態勢を整えたうえで再攻撃を掛けるのは常套手段と言えます。しかしこのイスラエル軍の帰還は同時に敵にも勢力を整える機会を与えてしまいます。アラム人諸国の中で最強の王であったハダドエゼルはヘテでの大敗北の全責任を負いメソポタミアに使者を遣わし、アラム人をヘラムに召喚させ将軍ショバクに率いさせます。このへラムはエルサレムから直線距離で120km地点。イスラエル軍は補給部隊も含めかなりの大部隊を投入しなければなりません。ラバ攻略の前にアラム人の大本営と一戦を交えます。ここでも最新兵器を持ったアラム軍を見事に蹴散らかせてしまうのです。戦車兵七百と騎兵四万またショバク将軍を失うことはアラム人にとっては致命的敗北だったのです。その為ラバを除くアラム人の諸国はイスラエルと和睦し以降朝貢国となるのです。
[主なる神様の歴史への介入] ダビデ王朝が破竹の勢いで領土を拡大できた背景には当時のオリエント世界の枠組みに大きな変化の潮流があったことを見逃すわけにはいきません。それはヒッタイトとエジプト新王国という二大国の対立という構図が、紀元前13世紀後半に勃興した「海の民」の侵入により、ヒッタイトは滅亡し、エジプト新王国も衰退したことです。またメソポタミアでもアラム人勢力に押されてアッシリアが一時的に後退。つまりダビデ時代には強国が実質的になかったのです。ここに世界史に介入されダビデ王朝を育まれた主なる神様の介入を見ることができるのです。

=注目地名=

地名①へラム(17):英語Helam;ヘブル語ヘイラム[拠点]・・・ラバの北北西90km。エルサレムから120km地点。

=注目人物=

人物①ハダドエゼル(16):英語Hadadezer;ヘブル語ハダッドエゼール[ハダドは助け]・・・アラム人の国ツォバの王。ダビデの最大のライバル。ハダドはシリア人の太陽神のこと。

人物②ショバク(16):英語Shobach;ヘブル語ショバッフ[拡張する]・・・シリア人ハダドエゼル王の将軍