ペテロの手紙第二 2章
ペテロの手紙第二
=本章の内容=
裁きの実態①天使②ノアの時代の人々③ソドムとゴモラの住民、偽教師の実態①正統教会の中にも潜入している②キリストを否定する③貪欲④根拠のない話⑤性的問題を引き起こす⑥バラムの言動に酷似している
=ポイント聖句=しかし、イスラエルの中には、にせ預言者も出ました。同じように、あなたがたの中にも、にせ教師が現れるようになります。彼らは、滅びをもたらす異端をひそかに持ち込み、自分たちを買い取ってくださった主を否定するようなことさえして、自分たちの身にすみやかな滅びを招いています。(2:11)
=黙想の記録=●本章では教会内部に既に潜入している偽教師、言葉を代えて言うなら、センセーショナルな説教を好む集団から出てくる突出した人物について語られています。彼らの話はとても巧みです。追っかけファンさへ作り出し、この人々の言葉があたかも神の預言の様にもてはやされます。ファンになってしまう人の特徴は、自分一人でのデボーションが確立できていない他人依存型の生活をしている人々のことです。
●本章前半では、正義を貫いて来た天使・ノア、ロトに挑戦してきた者達の行く末を挙げ、偽教師に向けられた裁きの大きさを説明しています。ところで、ノアとロトの世代の人々に大きな患難(神の裁き)が訪れた時のタイミングを思い出してください。ノアの場合はノアとその家族が箱舟によって、この世から完全に隔離された時でしたね。そしてソドムとゴモラの場合は、ロトが町を完全に離れてからでしたね。双方とも神から下される大きな患難が起こる直前に、その現場からいなくなっているのです。これは何を示唆しているのしょう。
●バラムはバラクの要望に反しイスラエルを祝福します。不思議に思いませんか。これだけバラクの気を損ねる事をしておきながら、バラムは処刑を免れています。ひょっとしたら彼らには密約があったのでは?と疑いたくなります。一見すると、神に従った従順な預言者の様に見えますが、結局彼は、自分の繁栄を夢見て、バラクの元、つまりモアブに行ってしまうのです。そればかりか、民数記31章にある様に、モアブにイスラエルの弱点を教え、誘惑を仕掛け、大きな罪を引き起こし、自滅させようとした張本人です。これはどう見ても、バラクへの恩返し、つまり「イスラエルを祝福した」愚行をチャラにしようとした計算尽くの行動に思えてなりません。バラムは実に世渡りが上手かったのです。イスラエルを祝福すれば神の怒りから免れる。イスラエルを自滅させれば、バラクに気に入られる。彼は寸分違わず神の祝福の言葉をイスラエルに提供するのですが、とても事務的です。彼の本心は結局この世の欲まみれで、この世の尺度でしか幸せを見つけることができなかった人物でした。バラムこそは、「敬虔のふりをした偽教師」だったのです。