エリコの水事件とベテルの悪ガキ事件

《なるほどThe Bible》2021/04/26
=エリコの水事件とベテルの悪ガキ事件=
=列王記第二2章から=
「エリコの水とベテルの悪ガキ事件は何か関連性があるの?」の家内の素朴な疑問が黙想のテーマでした。例の悪ガキの一件はエリシャの気性の説明と思っていましたが。改めて考えてみると、この部分にこの二つの事件が取り上げられているのには重要な意味があったのです。なるほどThe Bible
エリコはヨシュア記の時代から呪いを受けてきた異邦人の町。ベテルは由緒あるユダヤ人の聖地でした。ところが、ここでは、エリコの住民には吉報が、ベテルの町には訃報が飛び込んでくるのです。預言者エリシャに対してこの二つの町の住民が取った態度にその結果が伴ったわけです。異邦人であるエリコの住民には神に呪われているという暗く重い歴史があり、それがかえって己を遜らせ、預言者を預言者とし迎え入れられたのです。エリシャの奇跡の前に、住民の悔い改めの心が見て取れるのです。片やベテルは子供が預言者を愚弄するほどに、子弟教育に、また信仰そのものにも無関心になり、およそ預言者を尊敬する風土が育つていなかったのです。選民意識の為、へりくだる思いがなかったのです。これは正に当時の北王国南王国両国の悲しい現状でした。
「エリシャの最初の奇跡」と「愚弄した子供達への復讐劇とエリシャの短気な性格を露呈する箇所」ではなかったのです