コリント人への手紙第二 12章

コリント人への手紙第二 12章
=本章の内容=

❶第三の天❷肉体のとげ➌重荷を負わせない❹悔い改め

=ポイント聖句=

使徒としてのしるしは、忍耐を尽くしてあなたがたの間で行われた、しるしと不思議と力あるわざです。あなたがたが他の諸教会より劣っている点は何でしょうか。それは、私のほうであなたがたには負担をかけなかったことだけです。この不正については、どうか、赦してください。(12:12~13)

=黙想の記録=

●11章に続き本章もパウロの痛々しい経験が語られていますが、ご多分に漏れず、偽教師たちは「これらの苦難はパウロの【弱い部分】が誘引したもの」と指摘するのです。パウロが言う「弱さ」とは「肉体のとげ」だけことではなく、偽教師が指摘するパウロの弱点つまり「使徒として神から認められていないので、こうした罰としての困難をパウロは経験する」という馬鹿げた理由付けだったのです。「第三の天」が意味するところは「神がおられる場所」すなわち「天の御国」のことです。「第一の天」は地球の大気圏内の空中を指し「第二の天」は大気圏外の宇宙を指していると言います。ところが「第三の天」は「死を経験した者」でなくては見ることができません。さらに「神に認められた者」以外に入ることが許されていないのです。パウロがこの驚くべき体験をしたのは「主なる神が使徒として認めている者」証拠です。その為に誰の目から見て明らかな「死」をパウロは経験していたのです。偽使徒には誰もこうした経験をした者が誰もいなかったのです。「安楽椅子に座り、人々に傅(かしず)かれ、毎日快適に過ごしている偽教師たち」にはこの天の御国に入ることすら許されてはいないことをパウロは明確にしたかったのです。「悔い改め」がなければ偽教師もまた「天の御国」に入ることは許されないことだったのです。しかし偽教師にとっては「この世が全て、死後の世界には無関心」だったので詭弁を弄してコリント教会を丸め込もうと必死でした。
●コリント教会の多くの人が偽教師にまんまと騙され、「死後の世界、つまり神の裁きがある場所」に無頓着であったため、コリント教会で起きている問題解決を有耶無耶にしていたのです。そこでパウロは三度目の訪問を持って厳しい処置をコリント教会で行うことを決意したのです。
●「重荷を負わせない」とは「負担をかけない」と言うことで、パウロは偽教師の様に金銭で左右されないことを再度述べています。うまく収めようとするために賄賂を差し出そうとするこのグループの人たちを、きっぱり切り捨てたのがこの章の末尾に書かれていることです。
●私が薫陶を受けた専心伝道者の大先輩が、「残念ながら、教会のリーダーや我々専心伝道者の中にも金で変節してしまう者が何と多いことか」と嘆いておられました。これがサタンのやり口です。