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サムエル記第一23章-1

サムエル記第一23章-1(1-5節)
=本章の内容=

❶伺いを立てるダビデ

=ポイント聖句=

2,ダビデは主に伺って言った。「行って、このペリシテ人たちを討つべきでしょうか。」主はダビデに言われた。「行け。ペリシテ人を討ち、ケイラを救え。」

=注目聖句=

4,・・・さあ、ケイラに下って行け。わたしがペリシテ人をあなたの手に渡すから。(新改訳2017版)

4,・・・ケイラに行け。わたしがあなたを助けてペリシテ人を征服させよう。(リビングバイブル)

4,・・・Arise, go down to Keilah; for I will deliver[引き渡す,届ける] the Philistines into thine hand.(KJV)【直訳】起き上がって、ケイラのところに下って行きなさい、わたしはペリシテ人をあなたの手に引き渡すからです
4,・・・Go down to Keilah, for I will help you conquer[征服する] the Philistines.【直訳】ケイラに下りなさい、わたしはあなたがペリシテ人を征服するのを助けます。

=黙想の記録=

主なる神様がダビデをその度に窮地から救い出されるのはダビデ自身の為ではなくダビデに関わる人々の救いの為です。ダビデは主なる神様の道具として用いられているのです。私達基督者が救いを受けたのはダビデ同様自分に関わる人々の救いの為でもあるのです。

❶1-5節:伺いを立てるダビデ・・・ダビデ28歳の時、預言者ガドの進言でアドラムの洞穴からハレテの森に移動して来ましたが、「3,ご覧のとおり、私たちは、ここユダにいてさえ恐れているのに」とあるようにハレテの森はアドラムの洞穴にいた時より無防備に感じさせるところだったのです。移動直後ケイラからの危機が報告されます。ケイラはアドラムの洞穴から南へ僅か5kmに位置しエラ渓谷の上の急な丘の上にある要塞都市ですがこのケイラの西方にはペリシテ人の五大都市の一つガテが控えていました。要塞都市の周辺の農地では穀物の脱穀が行われる時期で収穫したばかりの穀物が野積みされていました。ペリシテ人はこの収穫期を狙って略奪部隊を送っていたのです。ケイラの住民がダビデと同じくユダ族で同胞であるとはいえ、ケイラの救済のためにペリシテ軍に戦いを挑むということは二重の危険性を孕んでいるのです。第一に圧倒的な軍事力と潤沢な補給ルートを確保しているペリシテ軍との戦いうことです。寄せ集めの弱小集団に勝ち目はないのです。第二にこんな目立つ行動を取ればサウル軍に目撃されやがて追撃されるようになるのが目に見えています。「2,ダビデは主に伺って」とありますが、ダビデ自身がサウルの様に独善的に行った行為ではありません。記載されてはいませんが、同行していた預言者ガドを介して主なる神様に「ペリシテ人討伐」の是非を伺ったのです。ダビデの部下たちにこの戦いを納得させる為にも第三者でもある預言者ガドによる主なる神様の託宣は不可欠です。この時の託宣は単に小競り合いが有利に進むだけではなく完全勝利をし敵軍を征服するとまで主なる神様は約束されているのです。また託宣の中に英語で「Arise」ヘブル語で「クーム」が使われていますが、「ただちに,とどまらず,躊躇せず,急いで」を意味しています。主なる神様がまるで檄を飛ばしているかのような言い回しだったのです。この託宣はダビデとその部下全員をどれだけ鼓舞したことでしょう。その結果略奪隊を討伐しただけでなく奪われた穀物や家畜を取り戻すことができたのです。基督者が祈り会を持つのはこのダビデの「伺う」行為と通じるところがあります。祈りによって参加者全員が確信を持つことができるからです。この移住の目的はこのハレテの森を安住の地にするためではなく、信仰のステップアップ、つまりダビデとその追従者たちが主なる神様の御心にいかに忠実に従うかを試すためであったと言えるのです。「6,アヒメレクの子エブヤタルは、ケイラのダビデのもとに逃げて来たとき、エポデを携えていた。」とありますが、ダビデが主なる神様に伺いを立てる際に預言者ガドとエブヤタルが大祭司として同席していたことを意味し、この託宣が公式な意味を持つ裏付けとなっているのです。

=注目語句=

語句①打ち場(1):英語threshingfloors.;ヘブル語ゴレーン[脱穀場]

語句②伺う(2,4,):英語enquir;ヘブル語シャエィル[何かを知ろうとする願望(欲望)を持つ,問い合わせる]語句③答える(4):英語answer;ヘブル語アナー[回答,反応する,証言する,発言する,叫び声を上げる] =注目地名=

地名①ケイラ(1):英語Keilah;ヘブル語ケイラ―[森]・・・ケイラはアドラムの洞穴から南へ僅か5kmに位置しエラ渓谷の上の急な丘の上にある要塞都市