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サムエル記第一17章-4

サムエル記第一17章-4(31-39節)
=本章の内容=

❹サウルの前に出されるダビデ

=ポイント聖句=[/su_la

36,しもべは、獅子でも熊でも打ち殺しました。この無割礼のペリシテ人も、これらの獣の一匹のようになるでしょう。生ける神の陣をそしったのですから。
39,ダビデは、そのよろいの上にサウルの剣を帯びた。慣れていなかったので、ためしに歩いてみた。ダビデはサウルに言った。「これらのものを着けては、歩くこともできません。慣れていませんから。」ダビデはそれを脱いだ。

[戦いの経緯④]
[6]サウルの耳に届きダビデを前線に出すことを決定される

=黙想の記録=

❹31-39節:サウルの前に出されるダビデ・・・「26,・・・このペリシテ人を討ち取って、イスラエルの恥辱を取り除く者には、どうされるのですか。この無割礼のペリシテ人は何なのですか。生ける神の陣をそしるとは。」のダビデの檄は少なからず兵士の心を打ったようです。忘れかけていた「生ける神」の単語はペリシテ人との戦いに何度となく介入なされた方を思い出させたからです。兵は一縷の光明(いちるいのこうみょう)を見出したのです。イスラエル全軍の兵の耳に届きいたダビデの言葉は終にはサウル王の元にも届いたのです。「32,あの男のために、だれも気を落としてはなりません。このしもべが行って、あのペリシテ人と戦います。」とダビデはサウル王に向かって臆することなく進言しました。それもその筈です。ダビデはサウルの道具持ちで何度となくサウルの前に出ているからで初対面ではないのです。この時ダビデは推定20歳。もはや少年ではありません。しかし、戦闘経験がありません。しかもダビデが軽装で戦場に来ています。サウルは未熟で経験の浅い新兵と思い百戦錬磨のゴリヤテと戦い勝ち目はないと考えたのです。サウルの言葉にダビデはすかさず反論します。「34-36,しもべは、父のために羊の群れを飼ってきました。獅子や熊が来て、群れの羊を取って行くと、しもべはその後を追って出て、それを打ち殺し、その口から羊を救い出します。それがしもべに襲いかかるようなときは、そのひげをつかみ、それを打って殺してしまいます。しもべは、獅子でも熊でも打ち殺しました。この無割礼のペリシテ人も、これらの獣の一匹のようになるでしょう。生ける神の陣をそしったのですから。」は単なる誇張やでまかせではありません。ダビデの実体験です。ここで登場する2種類の猛獣について説明します。当時イスラエル全土では森林が伐採されていなかった為、野生動物が牧草地に頻繁に侵入していました。特にイスラエルの山岳部では獰猛で巨大な熊が出没していました。西アジアに広く分布する熊は恐らくヒグマで体長2m以上体重200kg以上で鋭い牙と強靭な顎、鋭い爪を持ち接近されて攻撃されればひとたまりもありません。またアフリカから西アジアに生息する獅子(ライオン)は体長2m体重150kgで時速64kmの猛烈な勢いで襲ってくるのです。羊を狙う熊や獅子はゴリヤテよりも巨漢で俊敏な猛獣たちです。さらに言うなら物理的に考えてもゴリヤテとの一騎打ちの方が俊敏な動きをする熊や獅子よりはるかに簡単なはすです。また目の前のゴリヤテは80kgの重装備で身を固め甚だ動きが鈍いはずです。ダビデにはこの獰猛な獣を打倒してきた経験値があるのです。しかしこれらの体験はいつも自分の実力以上の不思議な体験であることを百も承知だったのです。「たとい、死の陰の谷を歩くことがあっても、私はわざわいを恐れません。あなたが私とともにおられますから。・・・(詩篇23:4)」はまさしくこの不思議な体験のことです。ダビデは「主は私の羊飼い(詩篇23:1)」であることを知っていたのです。ダビデのこの実体験を含む進言はサウルを納得させます。恐らくダビデの実体験は臣下を通してすでに調べ上げられていた事実だったことをサウルは知っったのです。そうでなければ、一国の明暗をこんな若造に委ねる筈がないのです。ところでダビデとゴリヤテの一騎打ちの場面を描いた絵画では、ダビデが12・3歳程度のや華奢な体つきの少年として描かれていることが多いのですが、前述した様に年齢は20歳を超えていることや猛獣と素手で戦う体力があることからすると筋骨隆々とした青年で間違いありません。剣を渡せば兵士として十分戦える体格だったのです。ところがサウルが提供しようとした武具を一応装着するものの脱いでしまった理由は次の様に考えられるのです。第一にサウルの武具は将軍が着る護身用で攻撃には不向きです。それは重量がありすぎるからです。第二にサウルの武具を身に着けるということはサウルの影武者的要素があるのです。主なる神様の戦いにサウルの要素は何一つ必要ないのです。主なる神様がそれを望んでいません。恐らくダビデは第一の理由しか考えていなかったと思いますが、知らずのうちにダビデは神様の御心を行っていたのです。

=注目語句=

=注目語句=
語句①若い(33):英語youth(KJV),boy(NLT);ヘブル語ネエイル[少年,召使い,若さ,家来]