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サムエル記第一17章-3

サムエル記第一17章-3(23-30節)
=本章の内容=

➌ダビデの義憤・エリアブの嫉妬心

=ポイント聖句=

28,兄のエリアブは、ダビデが人々と話しているのを聞いた。エリアブはダビデに怒りを燃やして言った。「いったい、おまえは、なぜやって来たのか。荒野にいるあのわずかな羊を、だれに預けて来たのか。私には、おまえのうぬぼれと心にある悪が分かっている。戦いを見にやって来たのではないのか。」

[戦いの経緯③] [4]ダビデが兄たちへの陣中見舞いに戦場に来る

[5]ダビデが大言壮語にエリアブが腹を立てる

=黙想の記録=

❸22-30節:ダビデの義憤・エリアブの嫉妬心・・・「22,ダビデは、父からことづかった物を武器を守る者に預け、陣地に走って来て、兄たちに安否を尋ねた。」から、ダビデの好奇心はマックスになっていたことが伺い知れます。ゴリヤテは40日の膠着状態の間に何度かサウル軍を挑発するために出てきます。考えても来てください。この40日の間、ゴリヤテと対峙する者がサウル軍には一人もいなかったのです。サウルはすでに「ゴリヤテと一騎打ちし倒す者には異例の褒美を出す。」とお触れを出しているのです。異例の褒美とは以下の通りです。

[1]自分の娘を嫁がせる。・・・国王の婿となる。政治に関与させることを意味しています。

[2]臣民としての義務の免除・・・納税の免除。懲役の免除。

[3]恐らく農牧地や家畜または金品の授与

しかしこの法外な褒美であっても一騎打ちに名乗りを上げる者は一人もいなかったわけです。この世の報酬でゴリヤテに手向かう勇士を吊り上げようとしたサウルの試みは失敗したのです。窮地に追い込まれたサウルが救いを求めたのは餌に食いつくスーパーマンであって、万軍の主ではなかったのです。この段階でサウルの主なる神様への信仰はどこにも見られません。「26,・・・このペリシテ人を討ち取って、イスラエルの恥辱を取り除く者には、どうされるのですか。この無割礼のペリシテ人は何なのですか。生ける神の陣をそしるとは。」とありますが、ダビデはゴリヤテを倒した後の報酬内容を問い正したかったのではありません。「これだけの名誉ある報酬が確約されているにも拘わらず誰一人としてゴリヤテに手向かう者がいないとは何とも情けない人ばかりだ。幾度となくイスラエルの窮地を救った主なる神であり万軍の主のことを知っていながらも全ての戦士たちが怯えていることにあきれてしまう。」という率直な批判だったのです。『28,ところが長兄エリアブは、ダビデがそんな話に首を突っ込んでいるのを聞いて、腹を立てました。「いったい、ここへ来て何をしようというのだ。羊の世話はどうした。とんでもないうぬぼれ屋め。戦見たさに、のこのこやって来たんだろう。」(リビングバイブル)」とありますが、この言葉の舌下にはエリアブの嫉妬心が含まれているのです。「サムエルの預言者学校への招待やサウルの侍従の推挙」はただ運が良かっただけとエリアブは見ているのです。とんとん拍子で出世した苦労知らず、いくさのいの字も知らない弟の大言壮語には我慢ならなかったのです。積年の嫉妬心がここで爆発したのです。神様の御心を果たそうとする戦士に向かって冷や水を掛けるのがいつでもこの人間の嫉妬心なのです。この場面は父ヤコブに寵愛されているヨセフを荒野に兄達の安否確認に訪れた時の様子に酷似しています。この時も動機は嫉妬心でした(創世記37:4、20)。またイエス様の十字架刑を欲したのも宗教指導者達の嫉妬心でした。

=注目語句=

語句①どうされるのですか(26):英語what will be done(KJV):ヘブル語マ・アサ―[どんな(何)・獲得する(達成する・出来上がる・成る)]

語句②恥辱を取り除く者(26):英語taketh away the reproach(KJV), ending his defiance(NLT);ヘブル語スウル・ヘルパ[取り除く(撤回する,拒否する,廃止する)・恥辱(非難,軽蔑,嘲笑)]

語句③生ける神の陣(26):英語armies of the living God(KJV);ヘブル語メㇽラハー・ハイ・エロヒム[戦線(戦列)・生きている・支配者(神)]