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サムエル記第一16章-2

サムエル記第一16章-2(6-13節)
=本章の内容=

❷ダビデへの油注ぎ

=ポイント聖句=[/su_la

7,主はサムエルに言われた。「彼の容貌や背の高さを見てはならない。わたしは彼を退けている。人が見るようには見ないからだ。人はうわべを見るが、主は心を見る。」

=黙想の記録=

❷6-13節:ダビデへの油注ぎ・・・儀式は終わり宴会となりサムエルはエッサイの子達を次々と呼び出し次期国王としての適性を見極めます。ところで主なる神様は「ダビデ」を始めから指名していません。サムエルに選択させるのです。サムエルにはサウルという轍があるのです。よもや同じ間違いをするはずがないのですが。残念ながら今回も見た目の判断だったのです。勇猛果敢にして主なる神に忠実なユダ族であり順当な選び方とすれば長男を選ぶのが必然と考えていたかもしれません。『6,彼らが来たとき、サムエルはエリアブを見て、「きっと、主の前にいるこの者が、主に油を注がれる者だ」と思った。』とありますが、エリアブは長男でありまたその名は彼の父エッサイが主なる神様を恐れている証であり、相応しい教育を受けているとサウルは感じたのです。また立派な体格は武芸者を思わせる様でイスラエル軍を統率するのにふさわしいと感じたのです。しかし主の言葉は異なっていました。「7,彼の容貌や背の高さを見てはならない。わたしは彼を退けている。人が見るようには見ないからだ。人はうわべを見るが、主は心を見る。」主なる神様の召命に至る選択は出自や外見に寄らないのです。続けてアビナダブ、シャンマをそしてダビデの上の兄弟七人全部と面会しましたが全て不合格でした。『10,エッサイは七人の息子をサムエルの前に進ませたが、サムエルはエッサイに言った。「主はこの者たちを選んでおられない。」』とありますが、選ばれるのは一人であり、これほどまでに慎重に吟味されるのはただ事ではないとエッサイは考えたかもしれませんが最後まで真の目的をサムエルは公表しなかったのです。終にダビデの番です。しかしダビデはその祝宴に呼ばれていないのです。祝宴に呼ばれていない事から考えるとダビデはイスラエルの元服(13歳)に達していなかったのではと推測されます。さらに「羊の番」をしていたとあります。Ⅰサムエル17:36には「わたしは獅子も熊も倒してきたのですから、(リビングバイブル)」とあり、羊を命がけで守る様子は天性の勇気があったものと思われます。「12,彼は血色が良く、目が美しく、姿も立派だった」は容姿の美しさを述べたものではなく、元服していない少年ではありましたが、その仕事柄日焼けし筋肉もついており、また獰猛な獣を常時見張っていなければならなかったので視力はもちろん洞察力のある目つきをしていたに違いないのです。仕事も満足にしてこなかったボンボンのサウルとは比較にならないのです。「13,サムエルは油の角を取り、兄弟たちの真ん中で彼に油を注いだ。主の霊がその日以来、ダビデの上に激しく下った。」主なる神様の指示通りダビデを選び出し、祝宴の真ん中で油を注いだのです。この時点でもダビデが王位を受けたことは公言されていなかったと思われるのです。Ⅰサムエル17:28を見るとペリシテ人との対戦の戦場に来たダビデのことを長男のエリアブは「荒野の羊飼いごときが」と詰(なじ)っています。つまりサムエルの油注ぎの真の目的を分かっていなかったからに他ならないのです。エッサイもまたダビデの兄弟もこの油注ぎはサムエルの預言者学校への入学許可程度にしか見えていなかったと思われるのです。ユダの王としての油注ぎ(Ⅱサムエル2:4, 11)を受けたのが30歳でこの間サウルに仕えサウルに追われる正に下積み時代を過ごすことになります。この点においてもサウルとはだいぶ異なっているのです。「13,・・・主の霊がその日以来、ダビデの上に激しく下った。」とありますが、そうであっても、ダビデは以前と同様エッサイの保護下にあり王位としての職責を開始したわけではありません。しかし、この表現はダビデが霊的に目覚ましい成長を遂げたとことを想起させるものです。ゴリアテに向かう勇気や冷静さ、自分の命を狙おうとするサウル王に対する忠実な心など目には見えない主なる神様に誠実に従おうとする正しい信仰の基礎作りはここにあったのです。

=注目語句=

語句①羊の番(11):英語keepeth the sheep(KJV), watching the sheep and goats(NLT);ヘブル語ラアー・ソウン[世話をする(飼っている)・羊と山羊(群れ)] =注目人名=

人名①エリアブ(6):英語Eliab;ヘブル語エリアーブ[神は父である]長男

人名②アビナダブ(8):英語Abinadab;ヘブル語アビナダーブ[私の父は高貴である]次男

人名③シャンマ[シムア](9):英語Shammah;ヘブル語シャマー[驚き]三男

人名④エッサイのその他の子供・・・Ⅰ歴代誌2:13~15から、ネタンエル(四男)・ラダイ(五男)・オツェム(六男)・ダビデ(七男)