サムエル記第一7章-2

サムエル記第一7章-2
=本章の内容=

❷ペリシテ人の攻撃とサムエルの行動

=ポイント聖句=

9,サムエルは、乳離れしていない子羊一匹を取り、焼き尽くす全焼のささげ物として主に献げた。サムエルはイスラエルのために主に叫んだ。すると主は彼に答えられた。

=注目聖句=

8,イスラエル人はサムエルに言った。「私たちから離れて黙っていないでください。私たちの神、主に叫ぶのをやめないでください。主が私たちをペリシテ人の手から救ってくださるようにと。」(新改訳2017)

8「どうぞ、お救いくださるよう、私たちの神、主に嘆願してください。」彼らはサムエルに泣きつきました。(リビングバイブル)

8,And the children of Israel said to Samuel, Cease not to cry(叫ぶ) unto the LORD our God for us, that he will save us out of the hand of the Philistines.(KJV)

8,“Don’t stop pleading(懇願する) with the LORD our God to save us from the Philistines!” they begged(懇願した) Samuel.(NLT)

[ペリシテ人との戦いの経緯] [1]イスラエルの大集結(ミツパ)を勘違いするペリシテ人

[2]サムエルの嘆願―ペリシテ軍の攻撃開始

[3]雷鳴によってペリシテ軍が攪乱される

[4]イスラエル軍の攻撃・ベテ・カルまで追撃。

=黙想の記録=

❷7-17節:ペリシテ人の攻撃とサムエルの行動・・・イスラエル全部族のミツパでの大集結を自国攻撃の為の大同団結と勘違いしたペリシテ人は連合してイスラエルに先制攻撃をしかけます。ペリシテ人の密偵は断食したり悔い改める姿を目撃しイスラエルは今弱っているので今日が攻撃のチャンスと大きな誤算をしてしまうのです。以前のイスラエルなら主なる神様に伺うことなく勝手な行動を取り大敗を帰しています。しかし信仰復興を遂げたイスラエルは以前と大きく異なります。祭司を通して主なる神様に救いを求める正しい手順を踏んだのです。サムエルも長老たちも契約の箱を駆りだす愚を演じることはなかったのです。サムエルはモーセが荒野でイスラエルの為に嘆願したのに倣い、またレビ記1章の全焼の献げ物の手順に従って傷の無い子羊(レビ1:10)を取り全焼の献げたのです。この聖なる儀式の最中に同時に主の奇跡が行われるのです。敵軍に何かのことで混乱が起き大敗するケースは外にもありました。ギブオンでの戦い(ヨシュア10:10)やキション川での戦い(士師4:15)は記憶に新しいものです。今回は雷鳴が敵を攪乱させる大きな要因でした。具体的な戦禍は数字で出ていませんがペリシテ軍は大敗を帰します。戦いの後サムエルはエベン・エゼルに記念碑を立てます。この場所は4章のペリシテ人の攻撃でイスラエルが大敗を帰した場所であり、契約の箱が奪取された場所でもあります。この場所に敢えて記念碑を立てるのには意味があります。「主なる神様抜きの人生を送る」のかそれとも「主なる神様に従順の限りを尽くす人生を送る」のかを思い起こさせる為なのです。

※傷の無い子羊はイエスキリストの型そのものです。基督者が窮地に陥る時、この世の解決手段をあれこれ考え時間も気力も体力も消耗する前に、十字架に架かられたイエス様に助けを求める必要があります。
この戦い以降しばらくの間はペリシテ人がイスラエルに敵対することはなくなりました。また徐々に奪われた領土を取り戻していきます。「16彼は毎年、最初はベテル、次はギルガル、その次はミツパと巡回しながらイスラエルのために裁きを行いました。どの町でも、その地域で紛争中の問題がサムエルのもとに持ち込まれました。(リビングバイブル)」とあるように、戦いが終われば終わったで早速サムエルには忙しい公務が待っていました。

=注目地名=

地名②ベテ・カル(11):英語Bethcar;ヘブル語べィトゥケール[羊の居場所]

地名③エシェン(12):英語Shen;ヘブル語シェイン[険しい岩山]

地名④エベン・エゼル(12):英語Ebenezer;ヘブル語エベン・ハー・エゼール[助けの石]・・・4章ではイスラエル軍が敗退し神の箱を奪われてしまった場所。

地名⑤ラマ(17):英語Ramah;ヘブル語ラマ―[丘]