サムエル記第一1章-1
サムエル記第一1章-1(1:1-8)
=本章の内容=
❶一夫多妻の罪
=ポイント聖句=6-7,また、彼女に敵対するペニンナは、主がハンナの胎を閉じておられたことで、彼女をひどく苛立たせ、その怒りをかき立てた。そのようなことが毎年行われ、ハンナが主の家に上って行くたびに、ペニンナは彼女の怒りをかき立てるのだった。こういうわけで、ハンナは泣いて、食事をしようともしなかった。
=黙想の記録=❶1-8節:一夫多妻の罠に陥るエルカナ・・・道徳的荒廃が如実であった士師記の時代から継続されていた悪習がこの一夫多妻です。しかも神に仕えイスラエル人の霊的なオピニオンリーダーたるレビ人が世俗の習慣に染まっているのです。離婚と同様に一夫多妻制は人々の心の頑なな心故に神が寛容にされたものでしたが容認しているものでは決してありません。祖先における一夫多妻の悲劇を何度も見聞きしているはずですが懲りずに同様な悲劇を繰り返しているのです。(アブラハム、ヤコブ) ペニンナは宝石と名付けられたように生まれついての愛らしさを持っていた人物なのでしょう。しかし外見とは裏腹に大変強欲な人物であったことが伺えます。彼女は息子や娘を次々授かっています。ペニンナには長子がいるのですから、将来の相続人はすでに手の内にあります。ハンナに対して経済的優位でいられることは保証済のはずです。「4-5,いけにえをささげ終えると、エルカナは、ペニンナと子どもたち一人一人に贈り物を与え、盛大に祝いました。彼はだれよりもハンナを愛していましたが、一人分の贈り物しか与えることはできませんでした。主が彼女の胎を閉ざしていたので、贈り物をしようにも子どもがいなかったのです。」とあるようにエルカナは良き父親よき夫を演じるわけです。ところがエルカナのハンナへの愛情表現と彼女への特別な贈り物はペニンナに一抹の不安を抱かせるのです。現状に満足できないのです。エルカナの遺産はほぼペニンナの子供たちのもので確定しています。これで満足すべきなのに、ペニンナはハンナを苛め抜くことで精神的に追い詰めるのです。「主がハンナの胎を閉じておられた」との言葉をペニンナがハンナに投げかけたとすればこれは最低の侮辱になります。つまり「お前は神に見捨てられている」と言っているのと同じだからです。それにしてもエルカナの鈍感さは目に余ります。サラやラケルの様に不妊の女性からやがて子供が生まれた例は聖書にあるのです。ハンナと一緒に神様に祈り求めることもできたでしょう。また騒ぎ立てるペニンナを戒めることもできたはずです。レビ人エルカナにしてはあまりにも霊的盲目状態だったのです。
※ペニンナは肉の人そのものです。十分与えられているにもかかわらずハンナに与えられたエルカナの愛情や贈り物をさらに欲しがっているのです。これが貪りの罪です。この貪る心は他人の幸せを決して認めることができないのです。
語句①万軍の主(11):英語LORD of hosts,;ヘブル語サバ・イェホバー[軍隊の主]
=注目地名=
地名①ラマタイム(1):英語Ramathaimzophim,;ヘブル語ラウマウサイェムツフィム[見張り人の2倍の高さ]・・・エフライムの丘陵地帯ににあるサムエルの故郷
地名①シロ(3):英語Shiloh.;ヘブル語シロウ[休息の場所]・・・エフライムの都市で、サムエルが育った場所。契約の箱と幕屋の一時的に設置されていた。
人名①エルカナ(1):英語Elkanah;ヘブル語エルカナー[神は創造された・神は所有された]・・・レビ人
人名①エロハム(1):英語Jeroham;ヘブル語イェロハム[憐れみ深い]
人名①エリフ(1):英語Elihu;ヘブル語エリフー[彼は私の神]
人名①トフ(1):英語Tohu;ヘブル語トフー[卑しい]
人名①ツフ(1):英語Zuph;ヘブル語ツフ[ハチの巣]
人名①ハンナ(2):英語Hannah;ヘブル語ハナー[恵み]
人名①ペニンナ(2):英語Peninnah;ヘブル語ぺニンナー[宝石]
人名①エリ(3):英語Eli;ヘブル語エイリー[上昇]
人名①ホフニ(3):英語Hophni;ヘブル語ホフニー[ボクサー]
人名①ピネハス(3):英語Phinehas;ヘブル語ピンハス[真鍮の口]