ペテロの手紙第一 5章
ペテロの手紙第一 5章
=本章の内容=
牧者としての資質①へりくだり②忠実さ
=ポイント聖句=あなたがたのうちにいる、神の羊の群れを、牧しなさい。強制されてするのではなく、神に従って、自分から進んでそれをなし、卑しい利得を求める心からではなく、心を込めてそれをしなさい。(5:2)
=黙想の記録=●シルワノはシラスと同一人物で、第二次伝道旅行で活躍した基督者です。本章にある様にペテロにとっても大切な同労者でした。シルワノはパウロやペテロの様に書簡を記したと言う記録はありません。しかし、各書簡を運んだ人物が、送った側にも受け取った側にも信頼されていなければ、どうしてその書簡を信頼する事ができるでしょう。ここでペテロはシルワノの事を「優れた賜物を備えた、勇敢な働きをする」などの見た目の評価をせず、長らく付き合っていなければ決して分かる筈のない「忠実な」と言う単語を使って人となりを説明しています。重要な奉仕を委託できる信頼の置ける基督者は何よりも「忠実さ」が要求されるのです。「忠実さ」は自己評価ではなく、他者からの評価です。また短時間で認められるものではなく、評価に値するだけの長い期間を必要とされます。こうした意味で「下積み期間」が長い基督者ほど信頼の置ける忠実な働き人と言えます。
●「わたしの羊を飼いなさい」とは、ガリラヤ湖で出会った時のイエス様の言葉です。穴があったら入りたい思いに駆られていたあの時のペテロをイメージできませんか。イエス様を否んだペテロは、言わば裏切り者です。酷評すれば、イスカリオテのユダと大差はありません。「でもそんな自分であってもイエス様は見限ったりしないこと。そればかりか大事な使命を自分に託した」事を知りペテロは感激するのです。これがペテロの真の働き人としての起点となり、原動力となったのです。有頂天になっている時より、項垂れている時の方が神様の声を聴き易いのと同じです。神様の使命を託される時には神様の前に謙遜さがなければならないのです。