ペテロの手紙第一 4章
ペテロの手紙第一
=本章の内容=
迫害に備えての武装①悪魔の攻撃ポイント②運命共同体(教会)と共に
=ポイント聖句=愛する者たち。あなたがたを試みるためにあなたがたの間に燃えさかる火の試練を、何か思いがけないことが起こったかのように驚き怪しむことなく、むしろ、キリストの苦しみにあずかれるのですから、喜んでいなさい。それは、キリストの栄光が現われるときにも、喜びおどる者となるためです。(4:12~13)
=黙想の記録=●ペテロが本章を記録するにあたり、思い出していたのは、イエス様が捕縛されるときに取った剣で敵に立ち向かった時のことです。一振りしてたった一人の耳を削いだだけで、あとは尻をまくってその場を逃げ去ったのです。イエス様が言われたのは旅支度の為の牛刀であって武器ではありませんでした。それよりもゲッセマネの園で示された「祈り」こそは最大の武器であることを、ペテロはこの苦い経験を通して学んだのです。
●迫害が時々刻々と迫っています。すでにこの時点でも基督者の幾人かは殉教しています。小アジアはローマに近接して基督者と言えども恐怖心が増しています。本章でペテロはローマ兵に武器をもって立ち向かうことを勧めているでしょうか。迫害は表向きの出来事。実はこれらの背景に全て悪魔の働きがあることを意識するようペテロは説いています。肉体の鍛錬はさほど重要な事ではありません。悪魔の攻撃ポイントは、基督者にも潜んいる肉欲です。恐怖心は現実逃避や厭世的な思いを掻き立てます。つまり「異邦人がしたいと思うこと(4:3)」に走っていくのです。刹那的な手段であり危機を忘却させる手段に導くだけで、何の問題解決にもなりません。
●ペテロは試練は魂の成長の為の訓練期間であることを説いています。また、8~11節にあるようにこの訓練期間は運命共同体である兄弟姉妹と共に受けるものであり、ひとりでは決して乗り越えられないものであると付け加えています。教会の結束を求めることを一途に求めて行動するとき、迫害は迫害でなくなってくるのです。一滴の水では燃えさかる火の試練を鎮火させることはできません。御霊の一致が整うとき、燃えさかる火の試練はたちまち鎮火できるのです。